米国務省元首席顧問 中国経済悪化の根本原因は中共にある

2023/08/21
更新: 2023/08/21

中国経済はデフレに陥っており、多くの指標が悪い結果を示している。複数の中国問題の専門家たちは、制度的な変更が行われない限り、中国の経済は良くならないだろうと指摘している。

ポンペオ米前国務長官の中国政策首席顧問を務めた余茂春(マイルズ・ユー)氏は8月16日、ハドソン研究所の番組「チャイナ・インサイダー」で中国経済について、バイデン氏の「時限爆弾」という表現が正しいとし、中国経済状況は非常に悪く、これはすべて中国共産党の自業自得によるものだと指摘している。

バイデン氏は10日の演説で、中国経済の失速に言及し、「中国は時限爆弾だ」と表現した。また、「悪い人が問題を抱えていると悪いことをする」と述べた。

余氏によると、中国の問題は中国共産党(中共)が経済をコントロールしていることに起因する。中共は自分が政策を打ち出すと、魔法をかけたように経済が良くなると信じている。

しかし、現在、それが機能しなくなって、中国経済が急速に悪化している。中共はすでに打つ手がなくなっていると同氏は語った。

中共政権を変えなければ 中国経済は苦境から抜け出せない

中国経済がデフレに陥り、物価が下落していることは、中国の消費者が消費をやめ、工場が破産に追い込まれることを意味する。

これは良い兆候ではないと余氏は考えている。中国7月の輸出の減少幅が14%を超え、輸入の減少幅も2桁に達した。また、非常に重要な指標である若者の失業率は20%〜40%に達して、かなり深刻な状況である。

最近の医療界反腐敗運動や移民コンサルティング会社に調査を行うことについて、余氏は「中国(中共)がやっていることは、お金持ちからお金をとることだ。財産の保護をまったく考慮していない」と指摘した。

中国が経済的苦境から抜け出す方法については、余茂春氏はこのように述べた。第一に、中国を真の市場経済にすること。国と政党の計画ではなく、経済の資源配分を市場の価格調整メカニズムに任せること。第二に、私的財産権を保護する憲法を即座に制定し、中共が個人の財産を取り上げることができないようにすること。

余氏はこのように語った。「この2つのことができない限り、中国経済が真に健全さを取り戻し、国際自由貿易システムに溶け込む可能性が見えない。逆に、今提案した2つのことが実行されれば、それは中共の終焉の基盤となるだろう。なぜなら、それを実現するには政権を変えなければならないからだ」

刺激策だけで解決できない

オックスフォード大学中国センターの研究員、ジョージ・マグナス氏は、ウェブサイト「The Spectator」での記事でこのように述べている。「不動産と金融セクターでの連続する問題が、中国経済が停滞する直接的な原因である。しかし、より重要なのは、中国の発展モデルがもはや適用されないことである」

現在、中共当局が提案している解決策 — 利率を引き下げ、市場流動性を高め、住宅購入者やデベロッパー、企業への監督を緩和することは、一時的なもので、持続的な解決策にはならない。

マグナス氏は、中国の問題は、微調整したり元に戻したりできるような些細な問題ではなく、本質的にはシステム的な要因のものだ」と主張している。

また、「おそらく近いうちに、(中共)政府が景気刺激策を強化するだろう。しかし、臨界点に達したのは不動産業界だけでなく、中国の経済全体である」と語った。

林燕
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