著名投資家ジョージ・ソロス氏の息子アレックス・ソロス氏は最近、トランプ前大統領が2024年の大統領選挙で当選したら、グローバリズムの「団結」を損なう可能性があると懸念を示した。
アレックス氏は8月31日、米誌ポリティコに自身の論説文を寄稿し、慈善基金「オープン・ソサエティー財団(OSF)」は来年の米大統領選挙で誰が当選しても対応できるように「適応」していると述べつつ、トランプ氏あるいは「MAGA共和党員」の当選が欧州の団結を危険にさらし、グローバリストのアジェンダに打撃を与えると懸念を表明した。
また次期大統領選の共和党指名争いでは「トランプ前大統領、あるいは少なくとも彼の孤立主義的で反欧州的な政策を受け継ぐ人物が共和党の候補者になるだろう」と予測した。
そのうえで、「来年の米大統領選挙でMAGA共和党員が勝利すれば、最終的には米国よりもEUにとって悪い結果になるかもしれない」との考えを示した。
「欧州の団結を危うくし、ウクライナ戦争に対応して多くの面で達成された進歩を損なう」結果に至ると懸念を示した。
トランプ氏の勝利が欧州の「団結」をどのように脅かすのかについては詳しく説明していない。一部の評論家の間では、トランプ氏がウクライナに領土の譲歩を受け入れさせるような和平交渉を推し進めるのではないかとの憶測が流れている。
トランプ氏は、大統領就任後から24時間以内にロシア・ウクライナ戦争を終結に向かわせることができると公言している。
トランプ氏は5月中旬、CNNの集会番組に出演し、ゼレンスキー大統領とプーチン大統領の双方と会談し、協定を結ぶよう説得すると述べた。
「双方とも弱みと強みを持ち合わせている。24時間以内に戦争は決着し、終わるだろう」と語った。
同月、トランプ氏はFOXニュースのインタビューで、武器を捨てて和平解決を受け入れるよう両陣営を説得する方法について詳細を語った。
「私ならゼレンスキーに言うね。これ以上は無理だ。取引をしてくれ」「プーチンには、もし取引しないのであれば、我々は彼(ゼレンスキー)に多くのものを与えるつもりだ。必要ならば、ウクライナがこれまでに得た以上のものを与えるつもりだ」とし、「彼は1日で取引を終わらせるだろう」
世論調査によれば、ロシア・ウクライナ戦争に対する米国民の支持は低下傾向にあり、8月4日、CNNが米調査機関SSRSに委託し実施した世論調査では、ウクライナへの支援について「米国は十分なことをした」と答えた人が過半数(51%)を占めていた。
米国はウクライナへの支援額が最も多い国であり、米国務省は8月22日、ウクライナへの支援額は総額460億ドル(約6兆7200億円)に達したと発表した。
アレックス氏は、以前ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、自分は父親と比べて「もっと政治的」だと語り、米国の左派系政治家への寄付を続けると表明。またオープン・ソサエティー財団の資金支援の優先対象を選挙権や中絶の権利、ジェンダー平等といった分野にまで拡大するとも述べた。
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