米宇宙軍、日本のスタートアップ企業と2550万ドル契約締結

2023/09/22
更新: 2023/09/22

米宇宙軍のシステムコマンド担当部門は、宇宙の移動や物流能力を向上させるために日本の宇宙関連企業アストロスケールの米国子会社と2550万ドルの契約を結んだ。

陸海空の領域と異なり、宇宙空間の衛星は給油ができない。同社は2026年までに、宇宙における給油サービスを可能にする、燃料補給衛星のプロトタイプを造るという。

通信衛星は設計と運用のうえで「一生涯」分、つまり数十年分の燃料を保持して打ち上げられていた。担当部門は今回の契約が「パラダイムシフトとなることを期待する」と述べている。

アストロスケール創業者兼最高経営責任者の岡田光信氏は、「米国宇宙軍より、燃料補給衛星の開発を受注しました。燃料補給は持続利用可能な宇宙開発に大きく貢献しますし、衛星の運用のあり方を大きく変えます」とコメントした。

米宇宙軍と同社の契約は今回が初めてではない。今年2月にも、米宇宙軍のイノベーション部門と、燃料の使用量を抑える技術に関する契約を締結した。このほか、米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡の安全な移動を支えるデブリ除去などにも協力している。

2013年創業のこのスタートアップ企業は、宇宙デブリ問題の解決に取り組んできた。2022年には日本スタートアップ大賞内閣総理大臣賞、同年は米タイム誌の「世界で最も影響力のある100社」に選ばれた。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。