【直撃取材】対中共で国益代弁する高市氏、相次ぐネガキャン 事務所も「なぜ今なのか」と困惑

2023/09/26
更新: 2023/09/26

「高市氏への攻撃は、他の国会議員と違ってかなり強い」。——高市事務所はエポックタイムズの取材に対し、こう心情を吐露した。

福島第一原発の処理水を「核汚染水」と呼び続ける中国共産党に対し、高市早苗科学技術担当大臣はIAEA(国際原子力機関)の年次総会で日本の国益を代弁している。いっぽう、日本国内では高市氏の外遊直前に公職選挙法違反の疑惑があると主要紙がこぞって報じた。


報道によれば、高市氏と他の2人の議員が、公共事業を請け負っている事業者から寄付を受けたとされる。しかし、今回の事案は「法律に違反するものではない」との声もあり、長尾敬前衆議院議員は寄稿で「一般には人為的ミス、ヒューマンエラーであることが圧倒的に多く」、訂正申告すれば収まるのが通例だと指摘する。

中国共産党と対峙する高市氏に降りかかってきた一連の報道について、事務所はどう見ているのか、マスコミとの間でどのようなやりとりがあったのか。エポックタイムズは高市事務所に取材を行った。

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——出来事の顛末について。

高市早苗議員が2021年9月の自民党総裁選に出馬した際、演説を聞いた企業の会長が東京の事務所に来訪し、「これからも総裁選を目指して頑張ってください」と励ましたの言葉を頂いた。「応援したいと思っています。寄付しても良いでしょうか」という申し出があったので、関連する資料を渡した。

寄付金が入金されたのは10月14日だった。ちょうどその日の午後、岸田首相は衆議院を解散した。

先方は、選挙とは関係のない寄付であるとのことで、13日午後に寄付金の振り込みを行ったようだ。振り込みが午後だったため、銀行の都合上、口座に入金されたのが14日だった。なので領収証の日付も14日だ。

——選挙時の寄付と一般的な政治献金は別々ということで間違いないか。

選挙の際の寄付は選挙寄付となり、候補者の収支報告書に載るものだ。全く問題ないという回答をしているが、メディアはそれをわざわざ報道した。

——各社が一斉に報道したことについてどう考えるか。

金曜日の定例記者会見で質問が出たが、その前にNHKが取材してきた。NHKが取材してきたので、特定寄付ではないと回答したが、報道各社が寄付元の企業にどんどん電話をかけて、「選挙のための寄付ではなかったのか」と質問した。相手に迷惑がかかったらいけないと思い、返金対応した。

その旨をしっかりと伝えたにもかかわらず、放送ではそのように流れなかった。そして、報道で取り上げられたのは高市氏だけではなく、小渕優子選対委員長と萩生田光一大臣も含まれていた。二人の寄付の詳細については知らないが、それぞれの言い分を紹介するのではなく、「この人たちは選挙中に、国の仕事を受注している企業から、受けてはいけない寄付を受けていた」と受け取れるような報道に終始していた。

これでは、何のために取材したのかわからない。

——どの企業が国から受注したのかを確認するのは困難なことか。

公共事業を受注した企業を公開しているサイトがあり、NHKはそのサイトを確認して取材しているようだ。しかし、企業が発注を受けたからと言って、すぐにサイトに載るわけではない。我々が寄付を受け付けた際に同じサイトを見ても、発注しているタイミングであれば社名は載らない。これでは後出しジャンケンに等しい。

国が公共事業を発注する際には、選挙の寄付をしてはならないということを文書で伝達しているはずだ。しかし大きな企業となれば、事業を受注している部門と寄付の手続きを行う部門が必ずしも同一とは限らない。さらに、国からの文書が必ずしも社内で周知されているとは限らない。

総務省に確認すると、選挙中であったとしても、例えば毎年10月に寄付をしている企業の場合には、選挙寄付ではなく毎年10月恒例の通常寄付として受け取ることができる。ただ今回は総裁選を見て初めて寄付しているので、このように主張することはできない。

——寄付を返金することについてどう考えるか。

衆議院選挙は参議院選挙と違っていて、解散してから40日以内に投票日が来るため非常にタイトなスケジュールだ。選挙事務所を空けて、ボランティアの方が留守番をする際に寄付金が入ると詳細まで把握できないことも多い。

もちろん、今回は全く状況が異なっている。深い付き合いがある寄付元であれば、メディアの報道と張り合って「とことん行きますぜ」と言えるが、今回の企業は総裁選から新たに接点を持ったので、そうはいかない。高市氏への攻撃は他の国会議員と違ってかなり強いので、色々と難しいことが多い。

——2021年総裁選前に取材した際、高市議員(当時)は硬い意志を持っていると感じた。今では中国共産党の理不尽な攻撃を跳ね返している。

そうだと思う。やはりそれだけあちこちから狙われている。

——高市大臣は中国共産党の外交戦に対抗するためにドイツに渡航している。その直前にメディアが一斉報道することについてどのように感じるか。

我々も分かりかねるところではある。はっきり言えば、例えば今回初めて大臣になったから、もう1回収支報告を見直したら問題が発覚した、このケースであれば理解できないことはない。しかし高市氏はずっと大臣で、収支報告を公開してからもう約1年経っているわけだ。なぜ今なのか、と考えてしまう。

——帰国後のご予定は。

執務に専念していく考えだ。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
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