ニセモノの「月餅」の見分け方 中国の有毒食品から身を守るために

2023/10/05
更新: 2023/10/04

先日の9月29日は、今年の「中秋の名月」であった。読者各位のおられる地方では、夜空に良い月がご覧いただけただろうか。

日本で「お月見だんご」のそばに飾るススキは、収穫期の近い「稲穂」を意味しているという。こんなところにも、日本人独特の予祝(よしゅく)の願いが込められているのは、まことに温かみのある風景といってよい。

伝統菓子に異変「今年は売れない」

中国で、この日は「中秋節」と呼ばれている。家族団らんで夜空の月を見ながら、満月をかたどった焼き菓子の月餅(げっぺい)を食べるのが慣わしである。

月餅は日本でも作られているが、日本のものに比べて中国の月餅は、かなり大きい。季節のギフトとして使われる高級品は、値段もかなり高いらしい。

ところが今年は異変が起きている。その伝統菓子である「月餅」が、中国で売れていないというのだ。

その理由は、昨今のすさまじい不況のせいで、多くの企業には余力がなく、ビジネス上の贈答品としての月餅をひかえるようになったためである。そして、もう一つ挙げられる理由が、月餅の「食品安全問題」だ。

今年の「中秋節」期間中、中国のネット上では「危険な月餅」の話題がSNSのホットリサーチ入りしている。例えば「流通期限の過ぎた月餅が、大量に流通している」「月餅に使用される肉そぼろが偽物だ」「月餅のなかから人間の爪が出てきた」などなど。

その噂の真偽は確認できないが「今の中国なら、ありそうなことだ」と誰もが思ってしまうところに、不気味なほどの信憑性がある。確かにこれらは、人から贈られても口には入れたくないモノばかりだろう。

なかでも「多くの国産月餅の黄身の餡(あん)が人工的に作られた偽物で、化学物質が大量に含まれている」という情報には、中国食品の危険性から身を守る必要性もふくめて、人々の注目を集めているようだ。

偽物の「月餅」の見分け方

月餅のなかでも、ゆでた鹹蛋(塩水に漬けたアヒルの卵)の黄身を餡に入れたものが昔から人気だった。その餡の黄身が、ホンモノかどうかを見分ける方法について、専門家は次のように教える。

本物の黄身の色は「やや黄色がかっており、その構造も不均一、食感も比較的硬い。外側は柔らかく、内側が締まっている。中央部分には硬い芯がある」という。

いっぽう、偽物(人工的に作られた黄身)の色は赤みがかっており、構造は均一。ホンモノよりも弾性に豊み、中心部は硬くない。

中国の食品安全基準は、欧米諸国の基準よりはるかにハードルが低い。中国製の月餅についても、欧米では禁止されている添加物を含めて、中国政府は百種類以上の化学添加物を許可している。

医療費を、ムダに払わせようとしているのか?

江蘇省無錫市に住む評論家の張建平氏は、次のように指摘する。

「この国(中国)では、むしろ国民にどんどん有毒食品を食べさせ、病院へ行かせて金を使わせることを願っているのではないか。利益のためなら、彼ら(中共)は手段など選ばない。有毒食品は、一つの表象にすぎない。問題の根源は、中国共産党による権力者への特別供給制度と医療の産業化にある」

張氏が指摘した「中国共産党による権力者への特別供給制度」および「医療の産業化」とは何か。

例えば、中共の高官であった人は、引退してからも「特権階級」として高度な医療を無料で受けられる。いっぽう、一般の市民は、高額な医療費を全額自己負担しなければならず、さらに費用を増すために、無駄な薬などを過剰に投与されやすい。

張氏の言葉は、中国の医療が本来の使命を忘れて「金儲け」に走っている一面を指摘したものと考えられる。

さらに言えば、中秋節の「月餅」に象徴されるように、中国製食品の全般について、その安全性が根底から崩れていることは、もはや看過できないレベルに達した「社会道徳の崩壊」の指標であろう。

「食品に毒が入っている」「医療が信用できない」。そうであるならば、もはや国家として(その体制をふくめて)全てを一掃しなければならない段階に至っている、と言ってもよい。

家族団らんで、安心して「月餅」が楽しめる正常な国に、戻さなければならないだろう。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。