プラダは、世界中にブティックを構えるイタリアを代表するファッションブランドです。 2025年の月面着陸ミッションのために、NASAは宇宙飛行士が使用する新しい宇宙服のデザインと製造を同ブランドに依頼したのです。
1972年12月のアポロ17号ミッションに続き、NASAは2025年にアルテミス3号ミッションで再び月面に着陸する予定で、宇宙飛行士が、初めて月の南極付近の探査を実行すると期待されています。
このミッションに必要な宇宙服のデザインと製造を、素材と製造の専門知識を持つプラダが米国の宇宙企業アクシオム・スペース社と共同で行う予定です。
ある宇宙飛行士がBBCに語ったところによると、プラダがこの仕事を引き受けたのは、彼らが関連するデザインの経験を積んでいたからだと言います。 その経験とは、ミラノでのファッションショーへの参加だけでなく、最先端の素材技術が競われるヨットレース、アメリカズカップへの参加も含まれるのです。
元宇宙飛行士で。NASAのミッションに5回参加し、4回の宇宙遊泳を行ったジェフリー・ホフマン氏は、プラダは合成素材の経験が豊富で、新しい宇宙服の製作に技術的に貢献できるかもしれないと語っています。
――宇宙服は宇宙船のミニチュアのようなもので、圧力と酸素を供給し、適度な温度を保たなければなりません。そのため外観に過度な期待をしないようにとみなに言っており、良好な保温環境を維持することが最も重要なのです。
と彼は解説しています。
アクシオム・スペース社は、アルテミス3号のプロトタイプ宇宙服を今年初めに発表し、重さは55kgで、より女性に適しています。 アルテミス3号は、女性宇宙飛行士を月に着陸させる初の宇宙ミッションとなる予定だからです。
プラダの原材料、製造技術、革新的なデザインに関する専門知識は、宇宙飛行士が月面で快適な宇宙服を確保し、従来の宇宙服に欠けていたヒューマニティーデザイン(人間味のあるデザイン)を向上させる高度な技術につながることが期待されていると、プラダのアンドレア・グエラ最高経営責任者(CEO)はプレスリリースで述べています。
プラダ・グループのマーケティング責任者であるロレンツォ・ベルテッリ氏は、「アクシオム・スペース社とともに、この歴史的なミッションに参加できることを光栄に思います」と語りました。
彼は、新しい宇宙服は、より弾力性があり、過酷な環境から宇宙飛行士を守り、宇宙飛行士がより自在に動けるようにし、より多くの科学実験のために、月を探査するのに必要な特定の道具を、いつでも持ち歩けるようにするでしょうと語っています。
これらの次世代宇宙服の開発は、宇宙探査の未来にとって大きな一歩であり、人々が月、太陽系、そしてその先の宇宙についてより多くを学ぶ助けとなるでしょう。
1913年にイタリアのミラノで創業したプラダは、ご存じのように世界各地にブティックを構え、衣料品、服飾雑貨、香水、皮革製品、美容製品を販売しています。また、「プラダ」はプラダ・グループのブランドで、 プラダ・グループは、高級品業界における世界有数の企業であり、ミュウミュウ、チャーチなど、世界有数の高級ブランドを複数所有していることで有名です。
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