中国の各地での猫や犬の捕獲行動 年間5千匹の目標立てる所も

2023/10/27
更新: 2023/10/27

中国・四川省成都市での犬による女の子の傷害事件後、国内各地で猫や犬の捕獲や処分活動が拡大している。特に北京の朝陽区では、年に5千匹の犬を捕獲するという目標が立てられた。

成都市での事件は10月16日に発生した。2歳の女の子が放置されたペットの犬に噛まれ、病院のICUに入院する事態となり、社会的な注目を浴びた。 

これを受けて、多数の地方政府は猫や犬の管理の強化を表明した。ペットとして飼われている犬の調査や、リードをつけずに犬の散歩をする行為に対する罰則が導入された。そして、数多くの地域で、野良の猫や犬に対して捕獲や処分が行われている。

当局の言い分は、猫や犬を「保護・救助」するというものだが、現実は、中国国内で動物保護施設は不足しており、捕獲された多くの猫や犬は処分されたり、食材として市場へ流通している。

最近、江蘇省張家港市で、多数の猫が入れられた箱が墓地で発見された。市民の協力により、これらの猫を輸送するトラックが止められ、1千匹を超える猫が処分される前に救出された。 

このような公的な捕獲行動の結果、猫や犬に対する虐待が更に増加している。ネット上では、その様子を捉えた衝撃的な映像や写真が拡散し、多くの人々を動揺させている。 

ネットの情報によると、重慶の学院で警備員により野良犬が殴り殺され、遼寧の学校でも同様の事件が報告されている。 

さらに、ある地域の報告では、政府職員が住民の家へ突入し、ペットの犬を強引に捕獲するという出来事もあった。 

10月18日、四川省樂山市中区の王河住宅地区で、自治会の数人が住民の住居に許可なく入り、ペットの犬を連れ出した。 

10月20日、浙江省杭州市錢塘区の雲上学府で、家主が入居者の部屋に入り、正式に登録された犬2匹を害した。入居者は警察に報告したが、警察は捜査を開始しなかった。 

猫や犬の乱獲が増えている中、ペットのオーナーはペットを守る方法を考える必要がある。ネットにアップされた動画には、重慶の女性が犬を特製のケージで散歩させる様子がある。この動画に対して、ユーザーは「中共の珍しい風景」とコメントしている。 

また、多くの地域で、猫や犬の権利を主張するために住民が積極的に活動している。ネットで見られる情報によれば、ある住宅地区では、乱獲を防ぐために野良猫や犬にシェルターを提供している。 

中国の様々な地域で猫や犬の乱獲に関する事件が取り沙汰されている。多くのネットユーザーは、中国共産党の方針やその取締り手法が原因として挙げられることが多く、下位の職員が指示された「目標」を達成するために強硬な措置をとることがあると指摘している。

あるユーザーは、北京市政府の購入情報を示しており、その中で北京市公安局の朝陽分局が「犬の取締りプロジェクト」を立ち上げ、関連の業者を雇用するための資金を確保した。

契約によれば、1年間で5千匹の犬を収容し、朝陽公安分局が犬の収容評価で上位にランクインすることが期待されている。

契約が結ばれた日を基に、今年の12月20日までが期限とされている。