ついに「人口費」を求める農村が出現 一人当たり20元を徴収=中国 江蘇

2023/10/28
更新: 2023/10/28

江蘇省塩城市東台市のある村では、村民から「人口費」を徴収していることがわかった。乳幼児から退職した高齢者まで「もれなく一人当たり20元(約400円)を取る」という。

税金と位置づけてはいないので、今のところ「人頭税」とは呼んでいない。しかし、実際「そこに人がいるだけで費用を徴収する」というのだ。いったい何に対する「費用」なのか、理解に苦しむばかりである。

「村に金が全くないから、何としても金を集めろ」というなら、もはや暴挙というしかない。現地政府の印鑑が入った「領収書」もSNSに拡散されているので、この信じ難い「人口費」の情報は本当であるようだ。

もはや任意のカンパではなく、かと言って「徴税」でもない。ともかく、子供をふくむ村民全員から金を取るのである。

ついに「金集めをする段階」にまで至ったのならば、その効果は「焼け石に水」であり、集めた金は瞬時にして消える。つまりこれは中国の「地方政治の崩壊」を意味する、一つの具体的現象と言えるかもしれない。

これに関連するトピックスは中国の大手検索サイト百度(バイドゥ) のホットリサーチ(27日)入りし、中国でも物議を醸している。

中国メディアの取材に応じた現地政府機関の職員は「人口費を徴収する件は本当だ。生まれたばかりの赤ん坊からお年寄りまで、皆に請求している」と話した。

こうした動きを受けて、コメント欄には「今のご時世、何にでも口実をつけて金をとるんだな」といった嘆きの声が多く殺到している。

そのなかには「今後は、呼吸をすれば空気使用費。ペットを飼えば、畜産費を求められそうだ」といった、あまりの理不尽さに呆れ果てた皮肉コメントも少なくない。

「農村で、村民の各人から20元の人口費を徴収か」のトピックは、中国の大手検索サイト百度(バイドゥ) のホットリサーチ(27日)入りした。(百度サイトのスクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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