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横河氏はまた以下のように指摘している。
「もし李克強氏が実際にプールで事故に遇ったのであれば、その場所での即時の救助が可能であったことは自明の理であり、病院までの輸送も何の問題もないはずだ」
「病院への移動距離や交通の信号機に関する問題とは無関係に、ヘリコプターを用いて迅速に患者を輸送することができる」
「中国における緊急医療の体制は、優れている病院にはヘリコプターの駐機スペースが存在しており、これは米国のシステムと似ている。実際には、そのインフラは米国をも上回るものであると評価される」
これらの問題を深掘りすると、李克強氏が最寄りの曙光病院に運ばれたという事実が疑問視される。彼らの主張に従えば、様々な手続きにおいて問題が生じたということになるが、これは信じがたい。
加えて横河氏は、曙光病院が上海中医薬大学に付属しており、主として中国伝統医学を専門としている点を指摘している。
西洋医学の部門も存在するかもしれないが、それは該当病院の専門領域とは言えない。中国の高級官僚が伝統的な中国医学を好むことはよく知られている事実だが、それは主に体調を整えるためのものだ。緊急の医療が必要となった場合、普通に西洋医学の病院へと送られることが多い。
上海には多くの病院があり、高級官僚がヘリコプターで輸送される場合、道路の状況や移動に要する時間は問題とはならない。そのため、曙光病院への搬送という判断自体に問題があると横河氏は述べている。
李克強の死に伴う社会の不安、中国は重要な局面に立たされる
大紀元の主筆、石山氏によると、多くの市民が李克強氏の死因を「心臓疾患にさせられた」と断定しており、そのような認識が広がると述べている。
そして、習近平氏の視点からこの事件を評価すると、習氏は「最低限の思考」や「極限の思考」を強く重視しており、これは「今現在は起きていないことが、将来絶対に起こらないわけではない」という意味を持つ。
李氏が生き続けるかぎり、彼の名声や影響力が存在するため、何らかの動きをする可能性がある。
このような状況において、「最低限の思考」として習近平氏は、まずそのような可能性を排除する方向に考える。習近平氏のこの種の態度は、他の政治指導者にとって、非常に大きな脅威となる可能性がある。
石山氏によると、中国国内の国民の中で、李克強を悼む動きが増えている。多くの市民が彼のかつての住居に花を奉納しているし、特定の場所での花の献上も多く見受けられた。
1976年の四五運動も、天安門広場で周恩来を悼んで花を奉納することから始まり、その後の花の撤去が更なる市民の憤りを呼び起こし、大規模な運動となった。
石山氏は言う。その年の四五運動は、毛沢東にとって極めて厳しいものであった。彼の記憶によれば、天安門広場での騒ぎの報告を受けた毛沢東は、その事態に驚愕し、自らへの批判に対して納得することができなかったという。
4月の四五運動の後、9月には毛沢東が逝去している。したがって、李克強の死が中国社会における重要な変化の始まりとなるかどうか、現時点ではないと断定できない。
横河氏は次のように明言する。
中国の歴史には確かにいくつかの重要な転機が存在し、その一つが1976年であった。この年に毛沢東、周恩来、朱徳と中国共産党の創始者たる三者が亡くなり、それが中国の歴史の大きな変革となった。
横河氏は、現在、中国が直面しているのは大きな転機であると語る。
それは単に今後の方向性の問題だけではなく重要なのは、国民が中国共産党に対してどのような対応をとるかだという。
一連の出来事を通じて、国民はようやく気づき始めた。すなわち、多くの問題の根源が中国共産党にあるということである。従って、究極の選択として、中国は共産党を放棄する方向を模索すべきであり、それが真の解答であるのではないだろうか。
中文「大紀元時報」の総編集長、郭君氏は実際、我々の世界において、多くの出来事は人間の意図するとおりに進行しないことが多い。毛沢東の時代は最も厳格な時代であったとも言われている。しかし、1976年に周恩来が亡くなった後も、四五運動は起きてしまった。
実際には、ある事件や死者をきっかけに民衆が騒ぎを起こすことがある。しかし、その背景には、必ずしも死者への尊敬や感謝からというよりも、現在の指導者への不満があることが多い。
現代の若者や老人、社会の底辺から上層部に至るまで、多くの人々が現状に対して不満を感じているのだ。
ロケット軍の状況についても、多くの人々が知っている。この軍の中にも不満が渦巻いている。以前より、中国共産党内の各派閥やエリートが行動を起こすことを検討していたとの噂も耳にする。特に、紅三代や官三代といわれるグループである。そのため、次に何が起こるのかは分からないが、何か大きな変動があれば、それは大きな出来事となることは間違いない。
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