気候変動対処の名目で米国は共産化する可能性が高い=専門家

2023/11/10
更新: 2023/11/10

「支配者は、気候変動に対処するという名目で、COVID-19大流行時と同様の「非常権限」を手に入れようとしている。その最終目的は、社会全体に対する統制力を得ることである」

気候危機論に反論する根拠を提供するウェブサイト「気候デポ(Climate Depot)」の創設者であり発行人であるマーク・モラノ氏は最近、英語版エポックTV「クロスロード」に出演し、このように語った。

彼は「非常権限で社会を統制しようとする動きは、米国に『中国モデル』を適用しようとするのと同じだ」と指摘した。

続けて「コロナの封鎖は、かつて自由だった西側諸国を中国の強圧的な一党支配に従うようにした」とし、「米国政府が気候非常事態を宣言して非常権限を得れば、中国共産党が中国国民を統制するのと全く同じ方法で米国社会を統制できるようになるだろう」と述べた。

また「現在、米国の支配階級は、彼らの権力と地位をさらに確固たるものにしなければならないと考えているようだ」とし「彼らはテロ、戦争、ウイルス、気候などを機会として、権力強化を図るだろう」と付け加えた。

非常権限

モラノ氏は「バイデン政権の気候変動問題担当特使であるジョン・ケリー氏は、コロナと気候変動の類似性を公然と強調している」と指摘した。

実際、2020年4月、ケリー氏は米メディア「ボストン・グローブ」に寄稿した文章で「コロナと気候変動は事実上同じものと見ることができる。この二つはどちらも世界的なパンデミックだ」と伝えた。

また、気候運動家であるジェイミー・マゴリン氏は、オンラインメディア「ティーン・ヴォーグ」に寄稿した文章で「コロナに対する全世界の対処は、世界各国の指導者たちが既存の体制に迅速かつ画期的な変化を起こす能力があることを示した」と述べた。

2020年6月、世界経済フォーラムのクラウス・シュバップ会長は「パンデミックは、私たちの世界を振り返り、再考し、リセットする機会の窓である」と述べた。

そして「パンデミックの一つの希望は、私たちがいかに迅速にライフスタイルを変えることができるかを示したことだ」と付け加えた。

中国モデルへの賛辞

モラノ氏は「中国の権威主義統治モデルを称賛する政府関係者、企業家、ジャーナリスト、学者、活動家がかなり多い」とし「彼らの発言はすべて文書で記録されている」と述べた。

カナダのジャスティン・トルドー首相は、自由党代表だった2013年に「中国の国家モデルは魅力的」と発言したことがある。

また、米国エネルギー省のグランホルム長官は今年3月、サウスバイサウスウエスト(SXSW)年次会議で気候変動に対する中国政権の努力を称賛した。

グランホルム長官は「中国は気候変動に非常に敏感で、実際にこれに対処するために多くの努力と投資をした」とし「私たちは皆、中国の対処を見習うべきだ」と述べた。

米国エネルギー管理庁は報告書で「近年、中国はエネルギー供給源を多様化し、一部の石油・石炭発電を天然ガスなどのクリーンな燃焼燃料に置き換えた」と発表した。

しかし、フィンランドに本部を置く独立研究機関「エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)」は全く異なる分析を出した。

CREAは2月の報告書で「中国は新規石炭発電所の建設に拍車をかけている」とし「中国は合計106GW(ギガワット)規模の新規石炭発電所プロジェクトを許可した。これは大型石炭発電所が毎週2か所ずつ新たに誕生することになる」と指摘した。

アップルの最高経営責任者であるティム・クック氏は2017年、フォーブスとのインタビューで「中国政府が環境のために行っていることは、アップルの価値と方向性と完全に一致する」と述べた。

さらに「彼ら(中国)は気候変動に対処することに全力を尽くしているほどだ」と付け加えた。

シュバップ氏は2022年11月、中国国営メディア「CGTN」に「中国は多くの国のロールモデル」とし「世界各国はどのようなシステムを採用し、維持するかを自ら決めなければならないが、中国の国家モデルが非常に魅力的であることは間違いない」と述べた

意図的な協力

モラノ氏は「国連、世界経済フォーラム、各国の政府や主要企業、超大型ファンドなどが一斉に『気候危機』を叫んでいる」と批判した。

国連は「国連気候変動枠組条約締約国会議で気候変動について議論し、これに先制的に対応するために協力しなければならない」と強調している。

2018年、世界保健機関(WHO)は「気候変動は人類の健康と発展を脅かす21世紀の最大の課題と挑戦」と宣言した。

また、「私たちが躊躇すればするほど、人類への脅威は大きくなり続けるだろう」と付け加えた。

英国ロンドンのクイーンメリー大学のアンドリュー・ハーマー氏と彼の同僚研究陣は論文を通じて「WHOは気候変動を『疾病による汎地球的脅威』とみなすべきだ」と促した。

また、米国のハーバード大学は「気候変動はウイルスの拡散を促進する環境を作り出すことで、伝染病の危険性を増大させる」と発表した。

これに関して、モラノ氏は「すべての国際機関、世界経済フォーラム、国連、WHOの間には共通の利害関係が存在する」と主張した。

2022年、WHOはバイデン政権が提案したパンデミック条約と国際保健規則を制定するために努力した。これらの法的措置は、WHO事務総長にすべての国で公衆衛生上の緊急事態を宣言する権限を与える。

モラノ氏は「気候変動を理由に公衆衛生非常事態を宣言する可能性がある」とし「もし非常事態が宣言されれば、厳格な統制と制限が続くだろう」と警告した。

続けて「非常権限を提唱する人たちは、ほとんどが支配階級が自分たちの生活と社会全般を統制することは正しいと信じている。そうしないと、不平等、人種差別、環境破壊、気候危機などがもたらされると考えるのだ」と指摘した。

また、モラノ氏は「支配階級は自分たちが世界を救っていると勘違いしている。同時に、気候変動を口実に統制社会を構築しようとしている」と喝破した。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
リポーター
エポックタイムズのベテラン調査記者。EPOCH TVの番組「クロスロード」で司会を務める。超限戦、非対称戦、ハイブリッド戦、破壊工作の専門家として知られており、中国共産党や破壊工作などに関する10年以上にわたる調査・研究を通して、世界が直面する脅威と政治情勢に対する独自の見識を持つ。