中国共産党(中共)が全国で出した不動産活性化政策は効果を上げていない。専門家は、今後も市場がさらに下落すると予測している。 中国の不動産業界は完全に崩壊とも指摘されている。
北京高級マンション 大規模な契約後キャンセル
北京の高級不動産物件が売れなくなった。 高級住宅物件を専門に扱う組織が10月に発表した市場報告によると、10月の新築高級住宅物件の販売量と価格が共に下落した。販売戸数は310戸で前年同月比46%減、平均価格は1平方メートルあたり9万2千元で(約184万円)前年同月比8.7%減となった。
最近、北京の高級物件の大規模な契約後キャンセルが発生しているというニュースが広がっている。不動産仲介会社・中原地産のチーフアナリストである張大偉氏は「9月上旬に販売された物件が30%以上キャンセルされた」と述べた。
富裕層が中古住宅を値下げして売却する動きが増えている。中古住宅の在庫量が急増し、価格は日々下落している。中古住宅の値下がりが続く中、新築住宅の値引きキャンペーンも増える。そのため、中古住宅は値下げを余儀なくされている。
こうした中、手付金を支払った人々が購入をキャンセルしている。しかし、キャンセルは予想以上に難しい。 手付金を引き渡した場合、契約では住宅総額の20%を賠償することになっているが、販売先の地域担当の署名も必要だ。
不動産価格の下落に終わりが見えないからというだけでなく、購入キャンセルの理由は他にもある。一つは突然の解雇や失業で、ローン返済ができない。もう一つは古い家が売れず、新居の頭金を払って契約するだけの資金がないことだ。
中古住宅が売れないのは、北京の中古住宅取引も冷え込んでいるからだ。
価格変動の激しい学区房、6年前の価格まで下落
中国の都市では、優良校がある地区(学区)の不動産は「学区房」と呼ばれ、価格が年々高騰したが、上海の最も中心部にある学区住宅の価格も急落している。数日前「1千万元(約2億円)の上海福外学区住宅の価格が、2年間で600万元(約1億2千万円)に下がったというニュースが流れた。
不動産業者によると、地下鉄世紀大道駅に最も近く、ショッピングモールに隣接する梅園エリアの価格は2017年の価格まで下がったという。
不動産仲介大手・上海鏈家房地産の研究院のデータによると、10月に市内で販売された中古住宅は1万3300戸で、前年同月比13%減、前年同月比19%減となった。
10月、70の大・中都市のうち、67都市の中古不動産価格が9月に比べて下落した。そのうち北京、上海、広州、深センの住宅価格は0.5%以上下落し、北京の下落率が1.1%と最も大きかった。
一方、二級・三級都市の不動産市場も冷え込んで、価格の下落が続いている。
一般的に、10月の不動産市場の低迷の原因は、市場への信頼感の欠如と大いに関係があると考えられている。 不動産大手碧桂園の2度目のデフォルト、不動産リスクが広がり続け、国有企業、民間企業も株式と債券が下落した。これらの要素も市場ムードに影響を与えている。
米国在住の元中国企業家、孟軍氏は最近、エポックタイムズの取材に対し、多くの人は2023年が中国経済全体にとって最悪の年だとは思っておらず、今年は「ゼロコロナ」の3年間よりもさらに悪い年だと語った。
現在、外資はほとんど撤退し、民間企業の大半が倒産している。特に、不動産業界は全面的な崩壊を迎えており、不動産業界は事実上存在しなくなった。さらに、金融業界にも危機が迫っており、実際には既に危機が発生しているが、中共の官製メディアはあえて報道しないだけだ。
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