中国共産党は最近のハイレベル協議や、南シナ海はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内であるという2016年の国際法廷の判決にもかかわらず、2023年12月上旬、同海の係争中の浅瀬付近での行動を一層活発化させた。
12月10日、中国海警局と中国共産党の海上民兵隊は、セカンド・トーマス礁の軍事拠点として計画的に座礁させた「シエラ・マドレ」号のフィリピン船員に物資を届けようとしたフィリピン船に対し、高圧放水銃を乱射した。 この砲撃で2隻のフィリピン船が損害を受けた。
そのうちの1隻にはフィリピン軍司令官のロメオ・ブローナー・ジュニア大将が乗船していた。 「完全に侵略行為だ」とブローナー司令官はAP通信に語り、 「中国海警局や民兵の大型船が何度も我々の進路を妨害するのを目撃した。 放水銃を撃たれ、その後衝突された」と述べた。
ロイター通信によると、ブローナー司令官は、中国の船員たちは自分が乗船していることを知っていたとは思わない、と語ったという。 事件を受けて、フィリピン政府は中国に外交的抗議を行った。
フィリピン西フィリピン海タスクフォースは声明で、「我々は、フィリピンの合法的かつ日常的なローテーションと補給の任務に対する、中国の威圧的で一方的な危険な行動を改めて非難する」と抗議した。
同声明はさらに、このような「無謀で危険な嫌がらせ」にもかかわらず、フィリピンの乗組員は「シエラ・マドレ」号への補給を成功させ、フィリピンは「国際法、特に法廷判決と国連海洋法条約に従って」行動し続けていると述べ、
「フィリピンは、自国の海域における法的権利の行使を抑止されることはない」と付け加えた。
米国海軍研究所ニュースが12月に報じたところによると、フィリピンの船は、2023年8月以来、セカンド・トーマス礁を封鎖しようとする中国船と月に2回の頻度で争っている。 対立はますます激化している。
AP通信によると、12月9日、中国海警局の哨戒艇と海上民兵艇は、放水銃と音響装置を使って、フィリピンの漁業・水産物資源局がフィリピン人漁師に物資を補給するために手配した作戦を妨害した。
2023年の初めには、中国海警局の隊員がフィリピン沿岸警備隊の隊員を軍用レーザーで一時的に失明させた。 また、フィリピン船に嫌がらせをし、衝突事故を引き起こすなどしている。
中国は、同礁と南シナ海の大部分は自国の領土であると主張しているが、この主張は国際法廷によって法的に無効であると否定されている。 中国共産党は、南シナ海のミスチーフ礁、スビ礁、ファイアリークロス礁などの岩礁や人工的な海洋地形を浚渫し、一部を対艦・対空ミサイルシステム、レーザー装置、妨害装置、戦闘機で武装させている。 そのため、天然資源が豊富で年間約427兆円(3兆ドル)の貿易が行われるこの戦略的水路の航路が紛争によって寸断されることへの懸念が高まっている。
ブルネイ、インドネシア、マレーシア、台湾、ベトナムも、中国共産党が2016年の判決に違反して南シナ海の排他的経済水域への侵入を続けているとしている。
フィリピンは今回の中国の動きを「深刻なエスカレーション」と呼び、今回の事件は中国との関係をさらに緊張させるだろうと述べた。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、「中国海警局とその海上民兵が我が国の船舶と人員に対して行った侵略と挑発は、西フィリピン海(南シナ海の一部)における我が国の主権、主権的権利、管轄権を守り抜くという決意をさらに強固なものにした」とし、 「我々は躊躇しない」と述べた。
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