最近、米国に入国する中国人留学生のビザが取り消され、入国拒否されるケースが相次いでいる。
中共(中国共産党)外交部はここ数か月、毎月中国人留学生を含む数十人が米国から強制退去させられていることを認めた。
1月4日、中国メディアは、多数の中国人留学生が米国に入国する時に長時間の尋問を受け、スマホやパソコンなどの電子機器も検査されたと報じた。中にはビザを取り消され、5年間米国に入国できないと言われた学生もいた。
中国人留学生のTさんは、北京の一流大学を卒業し、イェール大学の博士課程に在籍している。
2023年12月19日、Tさんは中国から米国に戻り、ワシントン・ダレス国際空港で米国に入国した。空港の税関はTさんの専攻を聞いた後、8時間の尋問を行った。尋問では、学部在学中に奨学金を受けたかどうか、中共当局から経済的援助を受けたかどうかが問われ、所持している電子機器も確認された。
尋問を終えた後、Tさんは留学ビザが取り消され、5年間米国へ再入国できないことを告げられた。
尋問を受けたもう一人の中国人留学生Mさんは、2022年、国立衛生研究所の国立がんセンターで研究をするために渡米した。
2023年11月22日、米国に入国したところ、Mさんは大学の学部、指導教授の情報、現在の研究が中共の後援を受けているかどうか、研究プロジェクトが中共、中共軍、主要研究所と関係があるかどうかを質問された。
尋問が終わると、空港の執行官はMさんに、彼の留学ビザは米国務省から直接取り消されたことを伝えた。
1月4日に開かれた外交部定例記者会見で、汪文斌報道官は、ここ数か月、毎月学生を含む数十人の中国人が米国によって強制送還されたことを確認していると表明した。
米国でスパイ行為を疑われる中国人留学生・学者
米情報機関は長年にわたり、中国共産党軍(中共軍)とつながりのある中国人留学生や学者が米国内でスパイ行為や知的財産の窃盗に従事し、米国に国家安全保障上のリスクをもたらしていると警告してきた。
2020年5月、トランプ前政権は大統領令10043号を発布し、留学に使用されるFビザ(一般的な学生ビザ)や、科学技術交流に使用されるJビザを保有し、中共軍に関係のある中国人留学生や学者の米国入国を禁止した。
バイデン政権は2021年5月に中国人留学生へのビザ発給を再開したが、同時に中国人留学生のスマホ内容検査やスパイ容疑のある中国人留学生の入国拒否を実施し始めた。
同年5月、米国留学を計画していた中国人留学生が、父親が中共の警察であることを理由に、米国大使館からビザの発給を拒否された。当時、米国大使館は、中共の入国管理局、安全部、公安部の現役職員の配偶者や子供へのビザ発給を停止していたことを確認した。
2021年8月、3人の中国人留学生がヒューストン空港に入国した際、米税関に強制退去させられた。3人のスマホには学校で軍事訓練を受けた写真が入っていたため、米国当局に中共の資金提供を受けたと判断され、軍事的背景があると疑われた。
2023年8月にも、数人の中国人留学生が入国を拒否された。その理由は、ある学生は、SNSのグループチャットでロシアによるウクライナ侵攻を支持するメッセージがあったこと。もう1人の学生は、ビザ申請書で職歴を隠蔽したため、入国拒否された。
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