台湾総統選挙直前 中国共産党の介入に関係者が警告

2024/01/11
更新: 2024/01/11

台湾総統選挙が近づくにつれ、中国共産党と直接接触したことのある関係者らは、中国共産党が1月13日の投票を左右しようとしていることについて警告を発している。

このような警告は、北京が台湾周辺に戦闘機や軍艦を派遣し、スパイ気球を繰り返し飛ばし、台湾の有権者に圧力をかけていることに起因する。

一方、中共(中国共産党)政権は、YouTubeやTikTok、PTT、小紅書などのソーシャルメディアとAI技術を組み合わせ、投票に影響を与えようと「認知戦」を仕掛けている。

そんな中、Xで活躍している中国出身の独立時事評論家『新聞調査』は、中共支配下の中国人と同じ運命を辿りたくないのであれば、投票によって台湾の独立、民主主義、自由を守るよう呼びかけている。

1月9日の投稿で、『新聞調査』は台湾の人々に、中国大陸の人々が直面している状況と比較して、8つの質問を投げた。

「台湾人はこれらのことを考えたことがあるだろうか:

1.なぜ台湾人は、下水油(下水道や排水溝から汲み取った油脂を含むゴミから精製する油)は食べておらず、飲んだ牛乳にはメラミンが混入しておらず、(吸っている)空気はスモッグのようなものではないのか?

2.なぜ台湾人は医療費も学校教育も無料で、逆に中国人は医者にかかる余裕もなく、飛び降り自殺しているのか。

3.なぜ台湾の65歳の高齢者の年金はあれほど高いのか?  中国の多くの高齢者は月100元(2千円)ぐらいしかもらえないのか。

4.なぜ台湾人には住宅に対する永久所有権があり、強制的に取り壊される心配がないのか。

5.なぜ台湾人は路上で商売をしても「城管」と呼ばれる治安要員に殴られないのか。

6.なぜ台湾では、監視され、臓器を強制的に摘出されるおそれがないのか。なぜインターネットのアクセス制限はないのか。

7. なぜ中国では政府の課長が何十億も横領できるのに対し、台湾でそのような汚職はないのか。

8.なぜ台湾人が総統を自由に批判できるのに、中国人は政府の小役人を批判しただけで逮捕されるのか」

『新聞調査』は、「理由は、​​台湾人が無能な大統領や政党を排除する投票権を持っているからだ」と答えた。

「もし今回、親中共の政党が政権を取ったら、台湾人の幸せな日々は終わってしまうだろう」と警告を発した。

さらに、「投票する人は、しっかり目を見開いていなければならない」と呼びかけた。

1月6日の投稿に続くもので、『新聞調査』は、秘密裏に台湾を併合するという中共のアジェンダを実行する親中共派の人物に投票しない14の理由を挙げた。

「もし台湾人が今回、親中共の候補に投票したら、台湾は香港のような一国一制度の枠組みの下で、中共に併合される可能性が高い」

「その時、あなた方は次のような”恩恵”を享受することになる」

同氏は続いて、中共の支配下で中国国民が経験する14の主要な苦しみを列挙した。

「重税と世界で最も長い労働時間、基本的な権利、安全や自由の欠如、中共の手による恐ろしい人権侵害」

中国からの警告

中国本土に住む80歳の王さんは、両親が中共の高官だった。王さんは中国社会がどのような状況になっているかを大紀元に語った。

「中国本土の人々の心と魂は、中共によって根本的に歪められている。私たちは、自由で民主的な社会で生活できる台湾の人々を羨ましく思っている。それはとても幸せなことで、私たちはそのために戦いたいと思っている」。

王さんによれば、中共は常に台湾の蔡英文総統(民進党)が台湾独立を求めていると非難している。

「我々は中共に、蔡英文氏が台湾の土地を他国に売り渡したことがあるのかと問うべきだ。江沢民は、中国領土の100万平方キロ以上をロシアにあげた。誰が中国を離反させ、誰が国を裏切ったのかは、一目瞭然だ」

王さんは「台湾人に中共を決して信じないことを願っている。中共は世界で最も邪悪な政党だ」と述べた。

中国で投獄されていた台湾人実業家

台湾人実業家の李孟居氏は、2019年8月に中国に入国した後、荷物に「香港頑張れ」と書かれたカードが見つかったことで、密かに逮捕された。

その後、同氏は「外部団体とのスパイ行為」と「国家機密の不法提供」として、2021年1月に懲役22か月と2年間の政治的権利剥奪の判決を受けた。

2020年10月、中共中央テレビ(CCTV)は公開自白を李さんに強要し、「台湾側の数百件のスパイ事件」に関与したと濡れ衣を着せられ、「祖国」への「謝罪」を強いた。

李氏は2023年7月に釈放され、9月に台湾に帰国した。

李氏によると、裁判中、「中共の判事は、私が米国式の民主主義を支持し、台湾の選挙を支持し、一国二制度に反対していると非難した。しかし、台湾人の99%はこのように考えているのではないのか?」

もし人々が親中共の候補者を支持すれば、台湾海峡はもっと平和になり、戦争の可能性は相対的に低くなるだろうという宣伝について、李氏はそうではないと考えている。

「(親中共政党の候補)に投票した時点で、あなたは強制収容所行きの切符を手に入れた」

彼は台湾の有権者に「中国共産党に幻想を抱いてはいけない」と警告した。

世論調査

ここ数日の3つの世論調査では、民進党総統候補の頼清徳氏と副総統候補の蕭美琴氏が僅差でリードしている。その後方には、国民党候補で現職の新北市長・侯友宜氏と副総統候補趙少康氏が控えている。

第3位は外科医から政治家に転身した民衆党候補の柯文哲氏と副総統候補の呉欣盈氏で、有権者に “第3の選択肢 “を提供することを目指している。

Alex Wu
エポックタイムズの在米ライター。専門は中国社会、中国文化、人権、国際関係。