中国共産党を繰り返し批判してきた中国の著名な経済学者・茅于軾(ぼううしょく、95歳)氏がこのほど、移住先であるカナダのバンクーバーに到着した。茅氏の知人によると「彼(茅于軾)は、二度と中国に戻るつもりはない、と宣言している」という。
今月14日、独立系時事評論家で作家の蔡慎坤氏は自身のツイッター(現X)に、「茅于軾氏が、ようやく自由の地に着いた」ことを報告した。蔡氏によると「茅氏は、90年以上住み慣れた中国に帰るつもりはない、と告白していた」という。
この日(1月14日)は茅于軾氏の誕生日でもあるため、蔡氏は茅氏夫婦が一緒にケーキを切る写真も添付した。
「茅于軾氏の海外移民」が伝わると、ネット上で話題となった。
ネット上には「95歳の高齢であっても西側自由世界への移住を敢行するとは、珍しい。このことからも、習近平の逆行政策がどれほど耐え難いかを物語っている」「つまり、海外移民は何歳になっても遅くない、ということか」などの声が少なくない。
なかには「2020年に、茅于軾先生の自宅を訪問した。その際に、茅先生の奥様から『共産党は家の周りに7台もの監視カメラを設置している。電話もメールも、全て監視下に置かれている』と聞かされた」と明かすコメントも。
茅于軾氏は中国の著名な経済学者で、北京天則経済研究所理事長である。茅氏は毛沢東による凶悪な犯罪を暴いたこともあり、彼の思想と言論は中共当局から長年弾圧を受けてきた。
茅于軾氏は2012年3月、米シンクタンク「ケイトー研究所」から自由賞を授与された。その時のスピーチのなかで、茅氏は「この賞は私のためだけでなく、中国で自由を推進する全ての人々への励ましでもある」と述べている。
(茅于軾氏の海外移民を伝える蔡慎坤氏のSNS)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。