豪州のクレア・オニール内務大臣は22日、移民制度の大幅な見直しの一環として、中国の富裕層を呼び込むためのビザ制度を停止したと発表した。
「ゴールデン・チケット」と呼ばれるこのビザは、500万豪ドル(約5億円)を豪内に投資することで外国人富裕層が永住権を得られる。ビザとは異なり、申請者は英語を学んだり話したりする必要はなく、年齢制限もない。
オニール氏は「このビザが、我が国と経済が移民制度に必要としているものを提供していない」と強調した。2022年にも同ビザの見直しを訴え「ビザ取得者は最終的に(豪州)経済に貢献する代わりに国の予算に負担をかけている」と指摘していた。
内務省の2020年のデータによれば、2012年に導入されて以降2300人以上の投資家がビザを獲得し、うち85パーセントは中国からの投資家だった。この期間中、国内企業に118億豪ドル以上が投資された。
いっぽう2023年のABCニュースの分析によると、このビザで永住権を取得した外国人は2万6千人で、そのうち中国人投資家は約2万人にのぼる。
同様のビザ廃止は、不正資金を呼び込む懸念から欧米諸国でも行われている。
アイルランドは昨年、租税回避などの悪用や安全保障上のリスクを理由に、1500人以上の中国人富豪に居住権を与えてきた「ゴールデンビザ」制度を廃止すると発表した。
英国も2022年、ゴールデンビザを廃止。外国人投資家が「不法に富を獲得し、汚職に関連するなど、安全保障上の懸念を生じさせた」と廃止理由を述べた。
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