コーヒーは好き嫌いが分かれるものですが、多くの人にとってコーヒーを正しく飲むことは健康に良いのです。毎日適量のコーヒーを飲むことは、心血管疾患やがん死亡のリスクを減らし、うつ病や不安症を抑制するだけでなく、新型コロナウイルス予防にも効果が期待できます。
ただし、健康的なコーヒーの飲み方にはルールがあります。『コーヒー中毒研究室』、『一杯のコーヒーで百の病気に対抗』の著者である台湾大学医学部名誉教授の張金堅博士が、コーヒーを飲むことの利点と正しい飲み方のコツを紹介してくれました。
コーヒーを毎日飲んでコロナ予防
2023年11月に「Cell & Bioscience」誌に掲載された研究によると、アルファ、デルタ、オミクロンなど多くの新型コロナウイルスの変異株による感染を抑制するには、1日1〜2杯程度のコーヒー摂取で十分であることが判明しました。
研究に使用されたコーヒーはスーパーで購入したもので、ラオス、ホンジュラス、インドネシア、グアテマラ、米国で挽いたコーヒー、日本、ブラジル、ドイツのインスタントコーヒー、日本のカフェインレスコーヒーが含まれています。いずれもウイルスが細胞に感染するのを阻止する働きを示しています。また、研究結果によれば、ミルクや砂糖を加えてもコーヒーの抗ウイルス効果には影響しません。
コーヒーは、ウイルスのスパイクタンパク質とヒトのアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)との結合を阻害し、膜貫通型セリンプロテアーゼ2とカテプシンLの活性を低下させ、ウイルスが細胞に感染するのを防ぐ働きをすることが判明しました。
同チームが2022年に行った研究では、コーヒー豆と同様の活性成分を含むコーヒー葉エキスにも、新型コロナウイルスを抑制する効果があることが発見されました。
心血管疾患と死亡のリスクを減らす
コーヒーの人体への有益性は、近年、多くの大規模な共同研究によって実証され、ますます認識されつつあります。
英国のバイオバンクのデータを用いた集団ベースの研究によると、10~15年の追跡調査期間において、心臓病の臨床症状のない46万人以上の人々において、適度なコーヒー摂取(1日0.5〜3杯)が死亡率、心血管疾患死亡率、脳卒中リスクの低下と関連していることがわかりました。
2022年に疫学分野の学術誌「International Journal of Epidemiology」に発表された52万人以上を対象とした前向き研究によると、中国、日本、韓国などのアジア人集団では、コーヒーの摂取は、死亡リスクの低下、心血管疾患リスクの低下、がん死亡リスクの低下と関連しています。
(続く)
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