国際司法裁判所、イスラエルに暫定措置を命令 上川大臣「誠実に履行されるべき」

2024/01/29
更新: 2024/01/29

昨年12月29日、南アフリカは集団殺害の疑いでイスラエル国際司法裁判所(ICJ)に提訴し、暫定措置を要請した。現地時間1月26日に、ICJは、南アフリカの要請を踏まえ、暫定措置命令を発出した。

この暫定措置命令は、イスラエルがジェノサイド条約違反を行っているか否かを現時点で判断したものではないが、イスラエルに対し、ガザ地区のパレスチナ人との関係において、ジェノサイド及びその扇動を防ぐための措置をとること、緊急に必要とされる基本的サービス及び人道支援を供給することを可能とする措置をとること等を命じるものだ。 上川大臣は、国連の主要な国際司法機関であるICJの暫定措置命令は、当事国を法的に拘束するものであり、誠実に履行されるべきものだという認識を示した。

今回、ICJは国際人道法の遵守と人質の解放にも言及したが、日本も、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難し、人質の即時解放を求めるとともに、イスラエルに対して、自国及び自国民を守る権利の行使に際して、国際人道法を含む国際法を遵守するよう求めてきている。

日本は国際社会における法の支配を重視する国として、この機会に、ICJが果たしている役割に改めて支持を表明している。

また、引き続き、関係国・国際機関と緊密に意思疎通を行いつつ、全ての当事者に、国際人道法を含む国際法の遵守や、関連の国連安保理決議に基づいて誠実に行動することを求めながら、人質の即時解放、人道状況の改善、そして事態の早期沈静化に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていく意向を示した。

南アフリカはパレスチナ人を守るため暫定的な措置として、イスラエルに対し、ガザ地区での軍事作戦を直ちに停止するよう求めた。

国際司法裁判所(ICJ)はオランダのハーグにある国連の主要な司法機関である。国際法に従って、国家から付託された国家間の紛争を解決し、正当な権限を与えられた国連の主要機関および専門機関の要請に基づき、勧告的意見を与える。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。