「学校で『共産主義の害悪』を教えるべき」 米下院議員が法案を提起

2024/01/31
更新: 2024/01/31

ベン・トマ米下院議員(共和党・アリゾナ州)が学校で「共産主義体制の害悪」について、学生に学ばせることを義務化する教育法案を発議した。今月31日(現地時間)、下院法制司法委員会で関連公聴会が開かれる予定だ。

トマ議員が発議したこの法案は、2つの主要な内容を含んでいる。一つは、共産主義体制が害悪であるという事実に関する義務教育を実施することであり、もう一つは、毎年11月7日を「共産主義犠牲者の日」として制定し、アリゾナ州のすべての公立学校で犠牲者をしのぶ記念日とすることだ。

法案の全文には、「2024~2025年度から高校卒業のための必須教育に、共産主義体制の弊害を教える最低45分以上のプログラムが含まれなければならない。この教育プログラムは、世界中の共産主義政権の歴史と政権下の飢餓、貧困、報道及び市民統制、人権弾圧などを詳細に扱わなければならない」と明記した。

トマ議員は「『共産主義』という概念は、現実の世界では決して機能することができない」とし、「結局、人々に銃を向けて、資源を再分配することを強制する『強制的慈善(Forced charity)』につながるだけだ」と述べた。

カリキュラム

前述したように、法案は毎年11月7日を「共産主義犠牲者の日」として制定し、この日に共産主義体制の害悪についての教育を実施するようにする内容を盛り込んでいる。

中国共産党の初代主席である毛沢東と、彼が主導した文化大革命に関する内容などを批判するカリキュラムを作ることを指針としている。

このカリキュラムでは、ニコラス・マドゥロベネズエラ大統領とチャベス主義(Chavismo)、スターリンとソビエト連邦体制、ウラジーミル・レーニンとロシア革命などにも触れることができるだろうと期待されている。

トマ議員は地元メディア「アリゾナ・キャピトル・タイムズ」とのインタビューで「個人的に子供の頃、家族と一緒に当時共産主義国家だったルーマニアを脱出した経験がある」とし、「これは私だけの話ではない。今も中国、北朝鮮、ベトナムなど共産主義国家が存在し、そこの人々はまだ共産主義と戦っている」と述べた。

続けて「共産主義政権による被害規模は言うまでもない。全世界で数億人が犠牲になり、消失した価値はそれ以上だ」と付け加えた。

反共活動

共産主義の害悪を暴露したり、米国内の共産主義の拡散を防ぐための立法努力はこれだけではない。

米下院国土安全保障委員会の委員長であるマーク・グリーン下院議員(共和党・テネシー州)は昨年10月、米国務省に対する中国共産党の影響力行使を遮断するための法案を発議した。

中国共産党コンサルタント禁止法(No CCP Consultants Act)」と呼ばれるこの法案は、米国務省長官が中国とロシア政府を含む特定集団と「助言及び支援サービス」に関する契約を締結、更新、延長することを禁止する内容を含んでいる。

グリーン議員は「我々は中国共産党と、そのスパイネットワークに立ち向かわなければならない」とエポックタイムスに語った。

米下院は昨年3月、強制臓器摘出を根絶するための法案を可決した。

2023年、強制臓器摘出禁止法(Stop Forced Organ Harvesting Act of 2023)」と名付けられたこの法案は、強制臓器摘出に関与したすべての人を処罰するようにする。また、米国務省は外国の強制臓器摘出事例に関する年次報告書を、国会に提出しなければならないことになっている。

法案発議に参加したクリス・スミス下院議員(共和党・ニュージャージー州)は、「強制臓器摘出は、反人道的犯罪であると同時に戦争犯罪だ」とし、「これは中国の無実の人々に対する戦争だからだ」と明らかにした。

その上で、「習近平を含め、これに直接・間接的に関与したすべての関係者が、責任を負わなければならない」と強調した。

トム・コットン議員(共和党・アーカンソー州)、クリス・クーンズ議員(民主党・デラウェア州)をはじめとする約10人の上院議員は、同法案を上院に提出した。現在、この法案は上院外交委員会で継続して審議中である。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。