中共イデオロギーの汚染
前回の記事で紹介した王さんは、米大学キャンパスにおける中国共産党の影響力について、米国社会にとって「汚染」のようなものだと述べた。
エリート・リベラルアーツ・カレッジの学部生である李さん(仮名)は、まさに中国語のクラスでそのような「汚染」を経験した。
2022年の秋学期、李さんは中国語コースの教材の一部に「党を愛する(中国語のコンテクストの場合、ほとんどは中国共産党を愛することを意味する)」とのフレーズが入っていることに気づいた。
それだけではなく、カリキュラムの中に「とても耳障りな」内容があったと指摘した。
中国語の授業では、中共のプロパガンダが繰り返され、20年以上続く法輪功への迫害を正当化していた。語学の教科書には、中国共産党による法輪功学習者への大量虐殺について、「法輪功の発展を制限する行為」という実態とかけ離れた表現を用いていた。
子供の頃から母親と一緒に法輪功を修煉してきた李さんエポックタイムズの取材に対し、こう語った。
「(教科書が)法輪功学習者や法輪功を風変わりで、暴力的で、危険なものとして描いているのを見て非常に憤慨した。そのような考えの背景には、明らかに中共のプロパガンダが入っていることを私は知っているからだ」
「学問の自由を重んじる場として、また、信教の自由を重んじる国として、このようなことは私たちのキャンパスで起きてはならない」
教師は李さんの心配に同情的だったが、教科書を変えることはなかったという。
「私のクラスには、将来一国の指導者になるであろう、とても頭がよく、知的な人たちがいるのに、中国共産党の偏見に基づいて中国を認識し、その文化や歴史に触れているのを知って、かなり落胆した」と李さんは語った。
中共からの資金援助
米国の高等教育機関が中国共産党の影響力に鈍感なのは、金銭的利益が絡んでいるためではないかと指摘されている。
ミシェル・スティール議員は2023年12月、議場での採決に際して「外国政府は善意を持って米国の大学に資金を提供するのではなく、見返りを求めているのだ」と述べた。
「カタールやイランのようなテロ支援国家であろうと、中国(共産党)のような残虐な人権侵害国家であろうと、私たちのキャンパスは米国を憎む国々の操り人形になってはならない」
同日、スティール氏が提案した、中国からの資金に関する米国の大学の報告基準を25万ドルから0ドルに引き下げる法案が下院で承認された。なお、同法案はまだ上院を通過していない。
米国の高等教育法では、これらの教育機関は25万ドル以上の外国からの寄付金を開示することが義務付けられているが、2020年に教育省が実施した調査では、中国、サウジアラビア、インドから提供された総額65億ドル以上の研究資金が報告されていないことが判明した。
過去10年間にわたって、米国の大学は授業料や助成金を獲得するため、中国の資金源に依存する傾向が強まっている。下院外交委員会の2020年の統計によると、中国人留学生は年間約120億ドルもの学費を米国の大学に支払っていた。2013年以降、中国からの寄付や契約は10億ドルに達している。
2023年10月、海外から資金提供を受けたにもかかわらず当局への開示を怠った12人の大学教員が、米司法省(DOJ)と190万ドルを支払うことで和解した。
司法省によると、12人の教員のうちの一人、スタンフォード大学に勤めていた教授は、中国・上海市の名門校である復旦大学にも在籍していた。
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