米国連邦議会下院の中国特別委員会のマイク・ギャラガー委員長(共和党)は7日、公聴会で「中国共産党政権は、兵器や新しい形態の監視を作りだすため、大規模にDNAを収集し、世界的な遺伝子データベースを構築している」と警鐘を鳴らした。
ギャラガー氏はバイオエコノミーと国家安全保障に関する中国特別委員会の公聴会で、中国共産党政権が地球上のすべての人の遺伝子データベースの作成を試みていると指摘した。
「中国共産党は、90億ドル(約1兆3236億円)規模の国家的な優先プロジェクトとして、バイオテクノロジーと遺伝子科学の支配を追求している。彼らは地球上のすべての男性、女性、および子供のDNAデータベースを構築している」
「このデータベースには、大規模なサイバーハックや企業の買収を使用して収集された、米国人のDNAも含まれる。そのほかの手法も使っており、全世界の800万人の妊婦からDNAを収集しているのもその一例だ」と述べた。
中国ゲノム解析大手の華大基因(BGI)は、中国共産党軍の遺伝子データベース構築に協力している企業と指摘されている。ロイター通信は2021年、BGIは中国共産党軍と共同開発した出生前遺伝子検査「NIFTY」を通して集めた遺伝子データを二次利用し、中国当局に提出可能な規定となっていると報じた。
ギャラガー氏はまた、中国共産党軍は、遺伝子データを活用して新しい兵器や監視技術の開発を目論んでいると指摘。「遺伝子操作による兵器は、すでに中国共産党軍事界のトレンドとなっている」と危機感を示した。
その取り組みの一環として、党幹部の脳波を測定し、影響を与える装置を作ることや、他のタイプの遺伝子改造が含まれると、中国特別委員会のラジャ・クリシュナムルティ委員(民主党)は強調。「中国共産党は、より優秀な兵士を開発するために人体実験を行っている。一部の報道では、中国共産党幹部が党に忠誠を誓うための読心ソフトウェアまで研究している」と述べた。
クリシュナムルティ氏のコメントは、2021年に公開された米政府機関の情報に言及しており、中国共産党が「脳制御兵器」の開発に従事していたとされている。この技術には遺伝子編集の取り組みや、中国共産党に人々をより忠実にさせるための脳と機械の連動プロセスが含まる可能性がある。
議員らは中国のバイオエコノミー支配を許すことは、中国共産党が人類そのものに共産主義のイデオロギーを刻み込むことを許すのに等しいと述べ、米国はバイオテクノロジーにおける倫理基準を確立するために中国との「道徳的かつ倫理的な戦い」に取り組むと強調した。
「この分野が天文学的なスピードで進歩するにつれ、競争に勝った国が、これらの技術の使用方法に関する倫理基準を設定することができるようになるだろう」
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