中国産「発ガン性物質入り」の唐辛子粉 すでに市場流通で、事態の収拾に苦慮する台湾当局

2024/03/15
更新: 2024/03/15

台湾の食薬署(台湾衛生福利部食品薬物管理署)は先月、中国から輸入した「唐辛子粉」のなかから、発ガン性をもつ工業用染料スーダンレッド(蘇丹紅)が検出されたことを発表した。

台湾当局は2024年2月20日、中国から輸入した「唐辛子粉」のなかから、発ガン性をもつ工業用染料スーダンレッド(蘇丹紅)を検出したと発表した。(台湾中央通訊社より提供)

この中国産の発ガン性物質入りの唐辛子粉(1袋で約8キロ)は、台湾の食品企業によって、すでに市場に出てしまったスナック菓子「蝦味先(香辣口味)」などの製造に使用されていたことが分かっている。

台湾当局は、同スナック菓子の店頭からの撤去や、消費者に対するリコールの呼びかけなど、対応に追われた。

 中国産の発ガン性物質入りの唐辛子粉を使った台湾のスナック菓子「蝦味先(香辣口味)」)。台湾当局はリコールを呼びかけている。(提供:高雄市衛生局/中央通信社)

しかし、この「スーダンレッド危機」は、まだ収束していない。

問題の唐辛子粉を原料にしてつくられた塩コショウなどの調味料(品名は「香辣十三香」「胡椒塩調味粉」)が飲食店で使用されていることがわかった。そのため台湾の衛生当局は、さらなる対応に追われている。

台湾の屋台などでよく売られている大きな鶏から揚げ「鶏排(ジーパイ)」を作る、ある飲食店は、問題の調味料を72袋仕入れており、すでに58袋を使い果たしてしまった。

また「鶏排店」のほかにも、「冷麺店」で使用された調味料からも問題の原料が発見され、使用中止になっている。

中国産の発ガン性物質入りの唐辛子粉を原料にしてつくられた塩コショウなどの調味料。(品名は「香辣十三香」、「胡椒塩調味粉」)。(提供:嘉義市衛生局/中央通信社)

台湾の各地方の衛生当局による本格的な調査が進むにつれて、問題の唐辛子粉を使用した製品が相次いで明らかになっている。

例えば、台湾北部の新北市では、白菜の漬物が関係する「キムチ危機」の真っただ中にある。新北市にあるキムチ製造の大手2社が、問題の唐辛子粉を使用してキムチを製造してしまったからだ。そのため「発ガン性物質入りのキムチ」が、すでに台湾の市場に流通してしまっている。

元はと言えば「中国産の有害トウガラシ粉」が台湾にもたらした食品公害であるが、対応に追われるのは輸入した台湾側の当局である。同様のことが、今後日本で起きない保証はない。
 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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