3月10日は「チベット民族蜂起記念日」である。
今年、65周年を迎えたこの日、自由の地である台湾(中華民国)の台北市で大規模デモが行われた。多くのデモ参加者によって、チベットの旗「雪山獅子旗」が春風に翻り、力強い「フリー・チベット」の声が台北の街中に響き渡った。
この日に行われたデモと集会には、NGO活動家の李明哲氏や民進党代表の李問氏をはじめ、台湾在住のチベット人や市民団体、台湾の一般市民、在台の香港人や在台の外国人などが参加した。
NTD新唐人テレビの取材に応じた米国人の英語教師マギー・ハニック(Maggie Hannick)氏は、「私たちはチベット人のために、台湾や米国などで闘い続ける。3月10日を記念するため、このようなデモ集会を開催し続ける」と語った。
米国の非営利団体「スチューデンツ・フォー・フリー・チベット(Students for a Free Tibet)」の台湾地区の責任者である李芃萱氏は「私たち台湾人は、チベット人と同じ側に立つべきだ」と訴えた。
この非営利団体「スチューデンツ・フォー・フリー・チベット」は、チベット人と連帯して自由と人権のために活動する、学生と活動家による草の根ネットワークであるという。
与党・民進党の元職員で、中国で国家政権転覆罪により実刑判決を受け、5年間服役した台湾の非政府組織(NGO)で中国の人権問題に取り組む活動家、李明哲氏は、次のように語った。
「台湾は、実際にチベットの例を見てわかったはずだ、もし私たち台湾人が、中国共産党の軍事的脅威の下で主権を放棄する交渉を受け入れれば、台湾はチベットの二の舞となる。そうなることは、望んでいない。だからこそ私たち台湾人は、中共のチベットに対する侵略を抑制しなければならない」
中共軍によるチベットへの侵攻は、20世紀後半の50年代はじめに、大々的に進められた。
中共はこれを「解放」と称している。しかしチベット人にとっては、膨大な犠牲者を生み出す残酷な侵略に他ならない。チベット軍は少数ながら勇敢に抵抗したが、中共軍の大兵力の前に敗れるしかなかった。
1959年(昭和34年)3月10日、チベットの首都ラサにおいて中国共産党政府の抑圧に反発してチベット民族による民衆暴動が勃発する。
この「3月10日」が記念され、毎年この日になると、世界各地の亡命チベット人のコミュニティーによって記念行事が行われてきた。
台湾では2004年以来、毎年3月10日になると、集会とデモが開かれ、市民団体や一般市民が自発的に街頭に出て、中共によるチベットへの迫害に抗議の意を示してきた。
中共によるチベット人への抑圧と弾圧は、今もなお続けられている。今年2月には、中国の四川省で進められる中共当局のダム建設に反対して、その中止を求める請願活動を行ってきたチベット人やラマ僧が、現地警察によって一斉逮捕された。拘束された人数は、1千人以上に上るといわれている。
中共が作ろうとするダムの建設によって、貴重な古代の壁画が保存されてきた千年以上の歴史をもつ古刹・汪堆寺(おうたいじ)など、6つのチベット仏教の寺が水底に沈められることになる。
(台北市で行われた、チベットへの連帯と中国共産党への抗議の意を示すデモ行進)
日本からも声援の声が続く
(都内で行われた、在日チベット人による「3・10」記念活動)
(都内で行われた、国際女性の日記念パレード)
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