豪州の野党は、米国に倣い、若者のプライバシーと安全を保護する目的で、豪州のTikTok禁止法案の導入を労働党政府に求めている。
TikTokは豪州でも多数の若者ユーザーを抱えているが、TikTokの母体であるByteDanceが中国共産党(中共)と関係していることで、ユーザーの個人データが中共の手に落ちる可能性に対する懸念を生んでいる。
米国政府は既に、ByteDanceに対して6か月以内に米政府の承認を得た買収者にTikTokを売却するよう求める法案を提出しており、これによりByteDanceがTikTokへの支配権を失うことを保証し、そうでなければ米国ではアプリの更新やダウンロードをアプリストアで禁止するとしている。
既にTikTokをダウンロードしている多くのユーザーにとっては、アップデートができなくなることが使用体験に影響を及ぼす。
米連邦議会の下院でTikTok禁止法案が3月13日に可決した後、豪州野党の重鎮であるピーター・ダットン豪自由党党首はアルバニージー首相率いる豪州政府に行動を促した。
ダットン氏は、「このような時期に、首相が消極的な態度をとるべきではない。豪州の子供たちのオンラインの安全を保障するためには、強力なリーダーシップを発揮する必要がある」と述べている。
「首相が(セキュリティ)機関から助言を得ているなら、適切に対応すべきだ」
ニューズ・コープ・オーストラリアが行ったオンライン調査によれば、読者の84%以上が豪州国内でのTikTokの使用禁止に賛成している。
サイバーセキュリティの専門家、スーザン・マクリーン氏も、米国での立法措置が進む場合、豪州もそれに倣うべきであると述べている。
マクリーン氏はニューズ・コープ・オーストラリアに対して、米国の連邦議会が受けている助言は全て高度なサイバーセキュリティの専門知識を持つ者からのものであり、TikTokが一つの西側諸国でリスクとなっている場合、他の西側諸国にも同じリスクが存在すると述べている。さらに、豪州は地理的に中国に近いため、二国間の関係を考慮しつつも、国家の安全を最優先に考慮すべきであると指摘している。
アルバニージー首相は14日、WSFMラジオにおいて、意見を聞く意向はあるものの、政府は現段階でTikTokの禁止を計画していないと述べている。
米国では、TikTokを禁止する法案が連邦議会下院を通過し、現在上院での審議が待たれている。
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