中国の不動産市場は、依然として低迷している。直面しているのは、経済全体の低迷のほか、住宅価格が下がるデフレ圧力や人口減少などの様々な難問である。
今年1月と2月の中国の新築住宅の平均販売価格が、昨年4月の最高値と比べ、22.6%下落したことがわかった。
中国国家統計局が15日公表した「2024年2月の70の大中都市における商品住宅販売価格の変動状況(《2024年2月份70個大中城市商品住宅銷售價格變動情況》)などを参考に、中国誌「中国経済週刊」18日付が指摘した。
価格が下落しているのは新築物件だけではない。一線都市(北京、上海、広州、深センの超大都市)の中古住宅の販売価格は、前年同期比の0.8%下がり、二線都市(直轄市や各省の省都のような経済レベルの高い大都市)や「三線都市(一部の省都を含む中都市)」では前年同期より5.1%も下がっている。
不動産市場の低迷が続く中、市場の回復を期待して中国当局は昨年9月以降、購入制限の緩和や金利の引き下げ、頭金の引き下げ、住宅購入者への奨励といった様々な政策緩和措置をとっているが、目下のデータを見る限り、その効果はほとんど見られない。
オランダの銀行INGの中国担当のチーフ・エコノミストである宋林氏は「住宅価格の下落は、逆資産効果を生み出し、消費への足かせとなるだろう」と指摘している。
中国では、今後も消費減少に伴う景気後退は避けられないようだ。
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