今月23日、福建省漳州市(しょうしゅうし)で、またも「暴走車が市民をはねる」事件が起きた。
SNSには、道端に倒れるバイクや負傷した市民を映した事件現場の映像が投稿されている。
投稿者によると「投資に失敗した男が、車を暴走させて社会への復讐を行った」という。男の背景について事実確認することはできないが、その暴走ぶりは、確かに「社会への復讐」という狂気にかられた行動であることが伺われる。
もはや「手がつけられないレベル」まで悪化
暴走車は、全く無差別に、罪のない通行人を立て続けに跳ね飛ばした。
さらにその後、地面に倒れている市民に対しても、繰り返し轢いたという。市民を繰り返し跳ねた後、男の運転する車は、そのまま現場から走り去ったという。
関連動画を転載した著名な調査ジャーナリストである趙蘭健氏は、この衝撃的な光景に「車で恣意的に、罪のない通行人を無差別に轢き殺す。そんな罪悪きわまる時代に、中国は突入した」と評した。
趙氏はまた、次のように嘆いた。
「中国は世界でも監視カメラが最も多い国だ。そして安定維持に最も多額の経費を費やしている国である。しかし、全面的に悪化した中国社会は、もはや手をつけられないレベルにまで悪くなっている」
(2024年3月23日、福建省漳州市で暴走車が市民をはねる事件が起きた)
破産した経営者「給料を求める労働者を殺害」
遼寧省鞍山市でも、給料未払いをめぐり陰惨な事件が起きた。
ある会社の経営者が、未払い給料の支給を求める労働者をナイフで殺害する事件が起きた模様だ。経営者とされる「手にナイフを持った男」が、ビルの屋上に立つ動画がSNSに流れている。
動画投稿者によると、この経営者は銀行口座を凍結されて、労働者の給料などとても払えなかった。この経営者の男は、給料支給を求める労働者と口論する過程で、ナイフで殺害してしまった。その後、ビルの屋上に上がり、飛び降り自殺を図ったという。(実際に飛び降りたかどうかは不明)
(ナイフを手にして、ビルの屋上に立つ男。会社経営者で、未払い給料の支給を求める労働者をナイフで殺害したという)
中国社会は「爆発寸前の火薬庫」
時事評論家の李林一氏は、「今の中国社会は、すでに火薬庫のような状態になっている。今後このような状態が続けば、遅かれ早かれ中国では何か大きな事件が起こるだろう」と評した。
中国社会が、すでに「爆発寸前の火薬庫」であることは、こうした社会報復事件が頻度を上げて連続していることからも伺われる。
それに対して、中共当局は「情報封鎖」するばかりで、何ら有効な方策もない。
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