台湾で3日に発生した大地震では多くの建物が損傷を受けたものの、死傷者数は低く抑えられている。中国本土のネットユーザーは、「おから工事」と呼ばれる手抜き工事で大勢の犠牲者を出した2008年の四川大地震と比べ、台湾人に羨望の眼差しを向けている。
「四川省の汶川地震のときは都市が廃墟になったのに」とある中国のネットユーザーは嘆く。「台湾の建設業者は誠実だ。中国であれば、耐震作業が基準通りに行われなかっただろう」と書き込んだ。
台湾東部・花蓮で起きた最大震度6強の強い地震により、20棟以上の建物が倒壊し、9人が死亡、負傷者は1000人超となった。「おから工事」が横行する中国本土とは違い、台湾の建物の多くは一部が破損して傾いたものの、完全に倒壊することはなかった。そのため、建物内に閉じ込められた被災者を救助する時間が確保された。
台湾では1999年以来25年ぶりの強い地震だった。台湾全域はもちろん、中国本土でも揺れが感じられた。台湾当局の発表によると、現時点では三十数人の被災者が閉じ込められている。
外国メディアは人的被害の少なさを取り上げ、こぞって台湾の建物の耐震性を高く評価した。対する中国本土では、特に傾いたまま倒れない花蓮市の8階建ての建物について熱視線を注いだ。
多くの中国人ネットユーザーは、耐震基準を満たさない「おから工事」が原因で大勢の犠牲者を出した2008年の四川大地震や、2023年の甘粛省地震(マグニチュード6.2)を引き合いに出し、台湾の建物の耐震性を讃えた。
「建物が完全に倒壊しなかったから、救助の時間があった」「耐震基準に沿って建てられたから、倒壊を免れた。台湾の建設業者は誠実だ。中国なら耐震基準通り建築されていなかっただろう」「問題は基準ではなく、それを施行する人の資質だ」
一部のネットユーザーは「耐震能力があるのであれば傾かなかったはずだ」と反論したが、中国本土で同様の地震が発生した場合、被害がもっと甚大なものになっていただろうという意見が多数を占めた。
あるネットユーザーは「M8の汶川地震の時は都市が廃墟となった」とし、「もし台湾の建物が中国本土の30階建てのアパートだったらどうなっただろうか」と質問した。
2008年の汶川地震について、中国共産党は未だ死者数を隠ぺいしている。当局の公式発表によれば、大地震の死者は6万9227人、負傷者は37万4643人、行方不明者は1万7923人だった。しかし、米国の民間団体が集計した非公式統計によると、実際の死亡者は約30万人だ。そのうち3万人が校舎で授業を受けていた子供だった。
地震発生時には、学校6898棟を含む21万6千棟の建物が倒壊した。校舎の倒壊により多くの生徒が圧死したが、付近の官公庁の建物に被害はなかったため、物議を醸した。共産党の幹部や官僚が勤務するこれらの建物は耐震設計が採用されたが、校舎には取り入れられなかった。子供を亡くした両親らは「自然災害ではなく、人災だ」と中国共産党当局を批判した。
中国問題評論家の李沐陽氏は自身のチャンネルで、「中国共産党にとって、中国人の命など価値のないものに等しい。共産党幹部の目には、死者数もただの無機質な数字にしか映らない」と述べた。「中国の建築物は最も質の悪い資材で建てられ、そのうえ手抜き工事だ。余った利益は賄賂として共産党の役人に贈られる」。
李沐陽氏は「もし(建築で)何か問題が起きても、中国共産党は力ずくで鎮圧する」「生命を大切にし、人権を尊重する台湾では、このようなことはない」「これが中国共産党の邪悪な本質だ」と指摘した。
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