上川氏、再エネTF「外務省が人選」 河野太郎氏「TFでの議論、閣議決定に盛り込まれた」

2024/04/05
更新: 2024/04/05

内閣府の再エネタスクフォース(TF)のメンバーだった自然エネルギー財団事業局長の大林ミカ氏などの人選を巡って、上川陽子外相は2日、「河野大臣(当時)にも相談して、しかるべく意思決定した」と述べた。河野太郎行政改革相は同日、再エネTFでまとめた提案などは「閣議決定に盛り込まれた」と語った。

「専門性は非常に高いと思う」「特に問題があったわけではない」。大林ミカ氏などの選任について聞かれた河野氏は、こう答えた。再エネタスクフォースについては「再生可能エネルギーに詳しい方、電力システムに詳しい方、規制改革に詳しい方」を選んで成立したものであるとした。

再エネタスクフォースの影響力についても言明した。河野氏は「再エネに関する様々な省庁を跨る規制をどのように改革していくかということが重要だったので、再エネに特化したタスクフォースを作って、最終的にはここでまとめたものも閣議決定の中に盛り込まれていった。しっかりカーボンニュートラルに向けて何をしたら良いのか、議論した」と述べた。

上川大臣は同日の記者会見で、「(再エネTFの)有識者の人選については、国際機関、企業・金融機関等の経済界、NGO、研究所、大学等の各分野から幅広く人選を行った」と述べた

さらに、「気候変動問題に関しては、様々な分野の様々な知見を踏まえた、幅広い視点に基づき議論がなされる必要があるという考えの下、当時の河野大臣にも相談して、本会合の設置及び人選を、当省として、然るべく意思決定したものと認識している」と語った。

共同通信の報道によると、有識者会合は2018年に設置されたもので、河野氏は外相として提言を2回受け取った。

河野氏は「(TFの)構成委員並びに自然エネルギー財団について、海外から不当な影響力を行使される可能性があったかについて調査していきたい」と述べた。

内閣府の再エネタスクフォースの会議資料に、中国当局が直接管理する国営企業「国家電網公司」のロゴの透かしが入っていた問題は3月下旬から注目を集めている。内閣府は当該資料をサイトから取り下げたが、国民民主党や維新の会などは国会で徹底追及する構えだ。

国家電網公司は中国国営の電力配送会社で、中国国有資産監督管理委員会が100%出資し、中国国内の送電網の9割以上を保有・運営する。同社は「習近平思想を深く学び、政治性、思想性、芸術性、大衆性の統一を堅持」すると企業理念を説いている。

大林ミカ氏などが所属する自然エネルギー財団を巡っては、中国共産党の国家プロジェクト「一帯一路」と関係する「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」に加入していたことも明らかになった。同財団は3月26日、同機構からの離脱を発表した。

大林ミカ氏は一連の騒動を受けて、3月27日にタスクフォースから辞任することを発表した。

大紀元日本 STAFF