最近の金価格の急激な上昇は、経済評論家で「ゴールド・バグ(ゴールド愛好者)」と称されるピーター・シフ氏によって、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策の誤りの可能性として指摘されている。
米国の経済評論界からは、近時の金価格の異常な上昇に対し、米連邦準備の政策運営に誤りがあるのではないかとの指摘が出されている。
金価格の異常な上昇
4月3日、アメリカの経済評論家であり、著述家、株式ブローカー、Euro Pacific Capital の最高経営責任者(CEO)であるピーター・シフ氏は、「The Peter Schiff Show」にて、金価格が一晩にして30ドル(約4548円)も上昇する現象は極めて異例であり、これがメディアからほとんど注目されていないのは更に珍しい事態だと述べた。
シフ氏は2008年の米国金融危機を的確に予見したことで知られている。
彼は番組内で、金の価格変動が示しているのは、米連邦準備制度の金融政策に誤りがあることを暗示している可能性が高いと述べた。
シフ氏によれば、金価格の急騰は米国経済の潜在的な脆弱性を示唆しているとのことだ。
シフ氏は「金は単なる商品に過ぎないわけではない。確かに商品だが、それ以上の特別な存在だ。金の特別さは、その通貨としての性質と役割に由来している」と語る。
1970年代と今日の経済
加えて、彼は1970年代のインフレーションと現在のインフレーションの政治的背景の類似性にも言及した。
「1970年代のアメリカは、ベトナム戦争と国内での貧困撲滅プログラムに多大な費用を費やした。その上、宇宙開発競争にも力を入れ、結果として政府は膨大な財政赤字に直面した。資金の調達方法は何だったのか? それは借入れだった。赤字財政に陥り、大量の通貨を発行することによって、通貨価値の低下と物価の上昇が引き起こされた」とシフ氏は指摘している。
またシフ氏は、ドルの価値の低下が金価格の最近の上昇の主な原因であり、これは財政赤字と通貨の過剰発行に起因すると述べている。金は記録的な高値を更新し、中央銀行の金への需要が高まる中で、不良な通貨政策への防御策としての位置を確立している。
2008年、シフ氏は市場の自然な調整を促すために、米連邦準備制度に変化を促した。彼は金融危機の根本的な原因を政府の政策に帰し、低金利が投機資金の自由な流れを許し、アメリカ人の豪華な消費を促進したと批判した。
さらに、アメリカ経済は新しいアプローチでの再構築が必要であり、実体経済の損害が完全に明らかになっていない現在、「良い時代は終わった」というような認識を共有し、アメリカ人は新しい生活様式を学び、貯蓄から始めるべきだと提案している。
中国共産党の金蓄積
外国の専門家、ジャン・ニューエンハイス氏は、中国共産党当局が15か月連続で大量の金を購入し、5300トンを超える金を秘密裏に蓄えていると最新のレポートで指摘した。
これは公表されている数値の2.4倍だ。彼の分析では、中国の金蓄積はドルの価値低下から経済を守る目的があるとされ、中国共産党の行動は世界の金価格上昇の主要な推進力となっている。
金のアナリスト、ニューエンハイス氏は、金価格が上昇すると、西側の投資家も金投資を行う傾向があり、中国共産党当局が、この進めるドル離れの動きと相まって、貴金属市場に「パーフェクト・ストーム」を引き起こす可能性があると懸念を表明している。
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