4月8日、駐華外国記者協会が2023年の中国メディア環境に関する報告書を発表した。会員157人のうち、回答した101人の答えに基づいて作成された報告書によると、81%が中国共産党当局の介入や嫌がらせ、暴力を経験している。
報告書は初めて、中国当局が記者の行動を追跡するためにドローンを使用している事実を明らかにした。
北京駐在の特派員からなる「駐華外国記者協会」(FCCC)の最新調査によると、2023年、中国共産党当局による中国に滞在する外国人記者への圧力が一層強まり、監視や嫌がらせ、報道活動への暴力的な干渉が行われ、ドローンを使った監視も行われているという。
新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)の封鎖措置が解除された後も、外国メディアが中国で独立した報道を行うことは依然として大きな妨害に直面していることが明らかにされた。
シドニー工科大学の馮崇義準教授は、「習近平が政権を握って以来、外国メディアの中国での取材環境は悪化の一途をたどり、現在中国に残る主流の外国メディアはほとんどない」と指摘している。
馮氏はさらに、中国共産党はすべての官製メディアに対し、いわゆる「中国(共産党)の物語」をうまく伝えることを求めていると述べた。
「だから、外国人記者や外国メディアが中国で報道するとき、中国メディアと異なるストーリーを伝え、異なる声を持つことになる。外国メディアは、政治的見解がどうであろうと、イメージがどうであろうと、基本的なジャーナリズムの倫理規範がある。つまり、見解は異なってもよいが、事実は尊重されなければならないので、事実を報道し、習近平が隠していることを明らかにしなければならない」
駐華外国記者協会の報告書によると、中国共産党は外国記者に対する面と向かった脅迫や監視を強化しており、デジタルによる監視も一層普及している。
在中国の記者の約70~80%が、スマートフォンにインストールしているWeChatがハッキングされたと思っており、半数以上が自宅やオフィスに盗聴器が仕掛けられていると考えている。
台湾政治大学の李登科教授は、「民衆には多くの不満があるだろう。独立系メディアや西側メディアに報じられると、国民の不満がさらに高まる可能性がある。習近平のやり方は、毛沢東時代と似ており、完全に閉鎖的で、中国大陸社会を国際社会から隔絶させている」と語った。
報告書では、中国共産党からの公的な圧力によって、学者やシンクタンク関係者、一般市民が外国メディアの取材を受けることをさらに恐れていると指摘している。
馮崇儀氏は、反スパイ法など、中国共産党のいわゆる国家安全保障法が人々に脅威をもたらしていると分析した。
「記者がインタビューをしたいと思ったら、おそらく国家機密を盗むと見なされる可能性が高い。 インタビューを受ける者も、学者であれ、役人であれ、一般人であれスパイ防止法によって犯罪を犯すと見なされるかもしれない。 つまり、国家情報を販売することになり、国家機密を漏らすことになる。外国メディアのインタビューに応じることは、誰にとっても危険なことになる」
李登科教授は、中国共産党による報道の自由の抑圧と国際社会への欺瞞は、いずれ完全に暴露されてしまうと考えている。
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