習近平肝入りの「未来都市」雄安新区、設立7周年ですでにゴーストタウン化 「完全に失敗」

2024/04/18
更新: 2024/04/18

今年4月で、中共メディアが「未来都市」と喧伝する「雄安新区」は建設7周年を迎えた。

中国の首都・北京に隣接する河北省の「雄安新区」は、自動運転や人工知能(AI)など先端デジタル技術を駆使し利便性の高いスマートシティーを建設するという、習近平肝いりの「千年大計」と呼ばれている一大国家プロジェクトである。

しかし、建設にこれまでに6700億元(約14兆231億円)以上が投入され、中央政府傘下の国有企業に対し本社を雄安新区に移すよう指示し200以上の企業が林立する、この「未来都市」にいまだ活気は見られない。

このほど、「まるでゴーストタウンと化した雄安新区」に訪れたネットユーザーによる撮影動画が中国のSNSに拡散されて物議を醸している。

(SNSで拡散されている「まるでゴーストタウンと化した雄安新区」の最新動画)

被災者を「見捨てて」守られた「未来都市」

「雄安新区」は、中国の中でも人口密度の高い「華北平原」において最も低く、ダムによって水没する地域に建設されている。

そのため、昨年下記のような事件が発生した。

昨年7月末から8月にかけて、河北省を中心に発生した(「通告なし」のダム放水による)大規模な洪水の際には、当局が「雄安新区」を水害から守るために、人口100万の大都市、河北省涿州(たくしゅう)市を浸水させた。この洪水により、涿州市は甚大な被害が出た。完全に「人為的な災害」であったが、中共当局は今でも、これを豪雨による自然災害であると主張している。

河北省涿州(たくしゅう)市を襲った(「通告なし」のダム放水による)大規模な洪水。最も深いところでは水深12メートルに上る。(SNSより)

 

「雄安新区」について、中国問題学者で豪シドニー工科大学の馮崇義・教授がエポックタイムズの取材に対し、次のように評している。

「ここは何ら価値をも生み出すことのできない場所だ。その唯一の存在理由は、習近平がやりたがっている『千年大計プロジェクト』であるというだけで、このままでは雄安新区は完全に失敗に終わるだろう」

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!