トランプ氏への起訴は「政治的」…バー元米司法長官、不倫口止め事件裁判を批判

2024/04/18
更新: 2024/06/21

トランプ前大統領を批判してきた米国のウィリアム・バー元司法長官は17日、トランプ氏をめぐる裁判は「政治的」だと述べた。左派の行き過ぎた政策が米国の「真の脅威」だと指摘し、2024年大統領選ではトランプ氏に投票する意向を示した。

バー氏は米FOXニュースに出演し、ニューヨークで15日始まった裁判について、「明らかに政治的」であり「酷い」ものだと述べ、起訴が数年後に提起されたことに言及した。

トランプ氏は2016年の選挙中に不倫相手への口止め料の支払いに関する業務記録改ざんの疑いなど、30以上の不正に絡む罪状で訴追されている。トランプ氏は不正行為を全面否定している。

「口止め料を支払って7年も経ってから、この訴訟を起こそうとするのは、明らかに政治的なものだ」とバー氏は語った。

トランプ政権時代に司法長官を務めたバー氏。以前は新著でトランプ氏について「気質も説得力もない」などと批判していたが、インタビューでは、2024年大統領選で共和党候補として確実視されているトランプ氏に投票すると発言した。

「自由に対する真の脅威、我々のシステムに対する本当の脅威は、進歩的な左翼の行き過ぎた行動だ。彼らは正義のシステムを曲解しており、そこに危険が潜んでいる。左翼による我々の制度の破壊だ」

「2つの悪い選択肢を与えられた場合、国にとって最も害の少ない人物を選ぶのが私の義務だと考えている。共和党を支持する」とバー氏は述べた。

また「国にとっての真の危険、民主主義にとっての真の危険は、進歩的な政策だ。トランプ氏はロシアンルーレットをやっているかもしれないが、バイデン政権の続けることは、国家の自殺行為だ」と付け加えた。

バー氏は司法長官在任中、2020年選挙後の不正選挙疑惑を適切に調査しなかったと受け止められ、保守派の批判にさらされてきた。

生涯共和党員であるバー氏は、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の下で司法長官を務めたのち、2019年と2020年にもトランプ氏から司法長官に指名された。しかし、2020年の不正選挙についてトランプ氏との間で確執が生じ、同年12月に政権を去った。

その後、2021年1月6日に起きた米連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会に協力。2020年大統領選の結果を覆そうとした疑惑でジャック・スミス特別検察官がトランプ氏を起訴していることに関しても、正当なものとして擁護している。

15日にニューヨーク州で開かれたトランプ氏の業務記録の改ざんをめぐる裁判の初公判では、7人の陪審員が選ばれ、評決までには2か月程度かかる見通し。米メディアによれば、この裁判で有罪となれば、トランプ氏は最大で禁錮4年が科される可能性があるという。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。