4月15日、中国広州で開催された輸出入商品交易展示会は、中国経済の停滞と生産能力の過剰が招く厳しい現状を如実に表していた。
展示会に集まった輸出業者たちは、製品の価格が異常に低下している状況に対して深い絶望を感じ、特に家電製品の価格が下がっていることを懸念し、白菜を売るようだと漏らした。
ロイター通信による報道によれば、佛山市の逸日盈輸出入会社のパートナーである呉華瞻氏は、市場の低迷に伴い、かつて注文に際して最低注文量を設定していたようなテレビ工場も現在ではどんな小さな注文でも受け入れざるを得ない状況だと述べた。
呉氏は、「もし今の状況が1、2年続けば、私たちは業界を変えるしかないかもしれない」と無力感を表わし、さらに、彼は自社の利益率が過去3、4年で2%から0.5%へと急減したことも明かした。
最新の統計によれば、中国の3月の輸出入は大幅に減少し、市場の予測を下回る結果となった。中国税関総署が公表したデータによれば、2023年第1四半期の輸出入の合計額は約1兆4300万ドル(約214兆6502億円)でに達し、前年同期比でわずか1.5%の増加に留まっている。
特に3月の輸出額は5008億1千ドル(約77兆3836億 円)で、前年同月比で7.5%の減少を記録した。これは昨年8月以降で最大の下落であり、実際の状況はさらに厳しいかもしれない。
香港大学ビジネススクールの金融学教授、陳志武氏は、今年の広交会で「低価格」が重要なテーマになると予測している。陳教授は、「中国国内の需要が停滞し、多くの業界で生産能力が余剰となっているため、製造業者は輸出を伸ばすために価格を引き下げる他ない」と指摘している。
一方、江蘇省で屋外ヒーターを製造している企業の范マネージャーは、ビジネスが減速している実感を語り、「今年は大口の顧客からの注文が昨年に比べて25%減少し、他の顧客も追加注文を躊躇している」と述べている。
これらの状況は、米中間の経済的・政治的緊張が高まる中で、さらに厳しさを増している。
また、アメリカやヨーロッパの国々は、中国の製造業強化政策が過剰生産を招き、他国との価格競争で不可能なレベルまで引き下げられていると非難している。アメリカのジャネット・イエレン財務長官は、「中国の生産能力の過剰に対してはどんな措置も取る可能性を排除していない」と述べ、これには関税を課すことも含まれることを示唆している。
カナダ、フランス、ドイツといったG7加盟国は、中国からの輸出品に対して懸念を示している。また、ブラジルのルーラ大統領も心配の声を上げ、最近になって中国製の鋼鉄を含む工業製品が不当に安価で輸出されている可能性があるとして、調査を開始した。
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