コロンビア大学で4月30日未明、イスラエルのガザ攻撃に抗議するデモ隊が、校舎に押し入り占拠した。だが、その抗議活動の裏には、共産主義者の影がうごめいている。
現地時間4月29日に、「Revcom Corps」と名乗る共産主義者集団が、「一刻も早い物理的革命」を呼びかけ、コロンビア大学で親パレスチナデモを支持するチラシを配布していた。そのチラシには「パレスチナからアメリカまで、革命以外に選択肢はない!」と記されている。
コロンビア大学での親パレスチナデモ参加者の多くは、報道陣との対話を避け、顔を隠すマスクをしていたため、個々の参加者を識別するのが難しかった。
ニューヨーク市には、ユダヤ人の雇用主が多いという現実があり、学生の中には、ドローンで撮影された場合、将来的に職を失うリスクを懸念する声もあった。
金融工学専攻のユダヤ人学生ジョナサン・レダラーさんは、「みんなマスクをしていた。混乱していて秩序がなく、大学は事態をコントロールできていない」とエポックタイムズに話した。
「本来は検問所があり、学生のみの入場になるはずだったが、今回は学生でない人たちも入ってきていた。みんなマスクをしていて、誰もが人を特定できず、咎められることなく好き勝手に行動していた。大混乱だった」
多くの親パレスチナのデモ参加者は、直接ハマスを非難するよう求められた際に、拒否した。コロンビア大学のキャンパスでパレスチナ国旗を掲げていた抗議者たちからは、テロ組織への非難の声やその標語標識は、一切確認できなかった。
共産主義者の配布しているチラシには次のように記されている。
「このような事態がなぜ起きているのか? それはアメリカの資本主義・帝国主義の基本的な利益が関わっているからだ。イスラエルは『中東』という戦略的に重要な地域で、アメリカ帝国主義を支持する重武装の拠点として「特別な役割」を担っている。また、イスラエルは世界の他の地域で、アメリカ帝国主義の抑圧的な支配を維持するのに寄与する残虐行為において、重要な役割を果たしてきた」
Revcom Corpsは「人類の解放」を訴え、反シオニズム(ユダヤ民族主義運動に反対)が反ユダヤ主義とは異なると主張している。そのリーダー、ボブ・アヴァキアンは「新しい共産主義」を創出したとしている。
その配布されたチラシの一つには、彼らの計画が「この国における真の革命、「実際の革命」……)」の分析と戦略を含んでいると記されており、ボブ・アヴァキアンがそれを実現するために先頭に立っているとある。
アヴァキアンは自身のウェブサイトで、2023年10月7日にイスラエルで起きたハマスによるパーティー参加者への攻撃について言及している。「これらの暴行は断じて非難されるべきだ。しかし、これはユダヤ人に対する新たなホロコーストというわけではなく、またイスラエルが長年にわたりパレスチナ人に強いてきた悲惨な苦しみに比べれば、遥かに軽微だ」
アヴァキアンは、1975年に設立された毛沢東主義を掲げる革命的共産党の党首を務めて、資本主義に反対している。2005年の著書「アイクから毛沢東へ、そしてその先へ」では、1960年代に左翼思想に共鳴し始めた中流階級のカリフォルニア青年だった自らの経歴を振り返っている。彼は当初、バークレーでのフリースピーチ運動や民主的社会のための学生運動に参加し、その後ブラックパンサー党とも連携したが、最終的には革命的組合を設立し、それが後に革命的共産党へと発展したとKeyWikiは伝えている。
群衆の中には、アンティファ(米国の左翼反ファシストおよび反人種差別の政治運動)のような他の共産主義グループのアジテーター(大衆を扇動する人・扇動者)と、共通点があるように見えるデモ参加者もいれば、銃撃戦に巻き込まれたガザのパレスチナ民間人の命を、心から憂慮しているように見えるデモ参加者もいた。
彼らのチャント(声をそろえてかける掛け声)の多くは、「NYPD(ニューヨーク警察)は倒れる!」や、よく知られている 「川から海まで、パレスチナは自由になる 」など、非常に攻撃的なものだ。
コロンビアのキャンパス内に貼られたデモ隊のポスターには、「イスラエルのアパルトヘイト、ジェノサイド、パレスチナ占領から利益を得ている企業から、寄付金を含むすべての財政を切り離す」、「コロンビアのすべての財政投資を完全に透明化する」、「パレスチナ解放運動で懲戒解雇されたすべての学生・教職員に恩赦を与える」という彼らの要求にコロンビアが応じるまで、彼らは留まるだろうと書かれている。
コロンビア大学でコンピューター・サイエンスを専攻する親パレスチナ派のアマンダさんは、野営地は「とても和やか」であり、イスラエルの行動に反対するユダヤ人学生も何人かいたと語り、異なる文化的背景を持つ人々が野営地で祈りを捧げていたと付け加えた。
続く
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