アメリカ軍は、中国共産党が2027年までに台湾への攻撃能力を確立しようとしているとの見解を持ち、それに対抗するために台湾周辺での軍事配置を強化している。
米国防総省は、フィリピンのルソン島の最北端に新基地を建設し、ステルス戦闘機や最新ミサイルを配備している。これらの軍備は、台湾海峡での衝突が起きた場合に重要な役割を期待され、中国共産党にとって重大な懸念事項となっている。
ルソン島の戦略的拠点としての役割
昨年2月、アメリカはフィリピンで新たに4か所の軍事基地を使用する権利を得た。これらの基地は戦略的な位置にあり、アメリカ軍にとって南シナ海や台湾海峡での中国共産党の動向を監視する前線拠点となる。
これにより、アメリカ軍は韓国、日本、オーストラリアなど太平洋の島々に展開する戦力のギャップを埋め、太平洋全域での軍事的プレゼンスを強化している。
従来、台湾に最も近いアメリカ軍基地は沖縄県の嘉手納空軍基地であり、台湾から約400マイル(約643.738キロ)離れていた。しかし、新たにフィリピンに建設される4つの基地は、台湾から約250マイル(約402.336キロ)と格段に近い位置にあり、アメリカ軍にとって極めて戦略的な価値を持つ。
ルソン島への中距離ミサイル「タイフォン」システムの配備
4月15日、アメリカ海軍の公式新聞によれば、アメリカ軍は「多領域任務部隊(Multidomain Task Forces、MDTF)」の一環として、「戦略火力」「サイバー」「防空」「後方支援」の4つの大隊(Strategic Fires Battalion、SFB)を4月7日にアメリカ本土からC-17輸送機でフィリピンへ派遣した。「タイフォン」と呼ばれるアメリカ軍の中距離ミサイルシステムが、ルソン島北部に初めて配備された。これはこのシステムが第一列島線で初めて展開された例である。
中距離ミサイルシステムは射程が2千kmを超え、中国の東南部沿岸や南シナ海、台湾海峡などの重要地域に到達可能である。専門家は、アメリカがこの配置によってインド太平洋地域での軍事的プレゼンスを強化し、中国共産党への抑止力を増す意図があると分析している。
アメリカの中距離打撃能力
ワシントン州に本拠を置く第一多領域任務部隊の4連隊のうち1つは「中距離打撃能力連隊」であり、数百人の兵士が所属している。この連隊は4基の4連装発射器を用いて「トマホーク」巡航ミサイルや「スタンダード・ミサイル6型」(SM-6)迎撃ミサイルを発射する。
これらは飛行機や敵ミサイルを撃墜し、弾道ミサイルや一部の高超音速ミサイルにも対応可能だ。SM-6は緊急時に水上目標への攻撃も可能であり、陸上、海上、空中の目標を1600キロの射程から攻撃できる。
ルソン島への一時的な配備とフィリピンとの連携強化
第一多領域任務部隊の指揮官バーナード・ハリントン准将は、ルソン島への中距離ミサイルシステムの配備は一時的なものだとしながらも、フィリピンとの協力関係を深める重要な一歩であると述べている。
中国共産党外交部は、アメリカがアジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備し、中国近くの前線を強化することに強く反対している。
F-22戦闘機、フィリピン空軍基地への復帰
昨年3月、アメリカ空軍はフィリピンのルソン島にあるクラーク空軍基地にF-22ステルス戦闘機を配備した。これはアメリカのステルス戦闘機がフィリピンに配備された初めてのケースであり、アメリカ軍が台湾周辺の潜在的な戦闘地域に迅速に展開できるようにするための戦略的な動きである。
アメリカ空軍は、ルソン島に少なくとも3か所の基地を有しており、昨年はフィリピンのボンバンガン州にある基地で1.7マイル(約2.73588キロ)の滑走路の修理を開始した。これにより、ルソン島はアメリカ軍にとってさらに重要な戦略的拠点となっている。
中国のメディアでの報道とルソン島の重要性
中国メディア「網易」は、クラーク空軍基地がルソン島の西部に位置し、北側はサンバレス海峡、西側は南シナ海に面していると報じている。スービック湾の海軍基地、バギオの海軍療養所、サンミゲルの海軍通信基地と共に、冷戦時代にはアメリカ軍が東南アジアで持っていた最大の基地群を構成していた。かつてB-52戦略爆撃機が配備されていたこの基地にF-22戦闘機が再び配備されたことで、南シナ海やサンバレス海峡において重要な戦略的役割を果たすと見られる。
中国共産党のフィリピン船舶への妨害行為とアメリカへの接近
中国共産党の海警船は南シナ海でフィリピンの船舶に対して妨害行為を続け、今年3月には高圧放水銃を使用する事件も起きた。こうした海上での衝突は、フィリピンをアメリカに引き寄せ、他の地域の大国との連携を強化させている。これらの国々は中国の拡張主義に反感を強めており、台湾防衛のためにアメリカと協力する可能性が高まっている。
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