ミネソタ州最高裁 コロナによる緊急事態宣言は合法だと判決

2024/05/14
更新: 2024/05/14

ミネソタ州最高裁判所は、ティム・ウォルツ知事が以前に発令した新型コロナウイルス感染症(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)時代の緊急事態宣言は合憲であるとの判決を下した。

数年前に知事による緊急事態宣言は取り消されたが、その命令が合法的に発令されたかどうかをめぐる訴訟がなされている。5月10日には、命令が憲法違反だと主張するミネソタ州の住民とビジネスオーナーを代表する訴訟が裁判所によって退けられた。

ゴードン・ムーア判事は意見書で「法律により知事に与えられている権限は広範にわたるが、危機時に行政が迅速に対応する必要性もまた大きい。ミネソタ州民が政府の過度な介入と健康を脅かす緊急事態の両方から保護されるよう、微妙なバランスをとることが求められる」と述べた。

首席判事のナタリー・ハドソン氏をはじめ、マーガレット・チューティック判事、アン・マッケイグ判事、ポール・ティッセン判事がムーア判事の意見書に署名した。バリー・アンダーソン判事は補足意見を述べ、ムーア判事の論理にほぼ同意しているが、カール・プロカッチーニ判事は以前に知事の下で働いていたため、この決定には加わっていない。

ムーア判事は「権力分立は我々の憲法の基盤として不可欠だが、政府の各部門の境界を定める際には、ある程度の柔軟性が必要だということを見落としてはならない」と指摘している。

「判事たちは、この法案が立法権の不当な委譲ではないと結論づけた。委譲された権限の範囲に対する制限、委譲された権限の行政府による行使に対するチェック機能、そしてこの法律と他の違憲な権限委譲との間の重大な相違点は、我々の結論を裏付けている」

民主党のウォルツ知事は、2019年3月20日にコロナによるパンデミックに関して緊急事態を宣言したが、初期には特に制限を設けず、ミネソタ州民に体調不良時に自宅待機を勧めた。しかし、その後の数か月で、ウォルツ氏は他の州の多くの役人と同様に、レストランや学校、一部のビジネスの閉鎖、マスク着用の義務化など、複数の指令を発令した。

アンダーソン判事は、緊急事態宣言を可能にする州法が憲法に適合していると同意したが、州議会による法改正が必要だと述べ、両院が合意すれば知事の緊急権限を終了できると指摘した。

同氏は共同意見の中で、「緊急事態が長引けば長引くほど、行政権限の限界を明確にする必要が高まる。しかし、この責任は法や行政といった政策を決定する部門にあり、司法部門の仕事ではない。緊急事態が発生していない時に、政治的権力の配分や監視になど基本的な問題に取り組むべきだ」と指摘した。

保守的なアッパーミッドウェスト法律センターは、ウォルツ知事の緊急命令とそれを可能にする州法に異議を唱えた

州最高裁の判決について、同法律センターは失望を表明し、将来の知事が違憲となる行動を取る可能性に警鐘を鳴らした。

同団体の上級顧問であるジェームズ・ディッキー氏は声明で「残念ながら、知事が16か月もの間、私たちが日常的にできることを指示していたとき、立法府は党派的な利害を脇に置かなかった。現行の議会は以前よりも党派的になり、僅差の多数決だけで次々と違憲の法律を成立させてきた」と述べた。

訴訟は、州議会と上院だけが法律を制定する権限を持っており、ウォルツ知事が州全体の緊急事態を宣言することでその権限を超えたと主張した。

弁護団は、5月10日の高等裁判所には「将来発令されるかもしれない特定の緊急命令が他の憲法上の保証に違反しているかどうかを検討する機会はなかった」と指摘した。

ミネソタ控訴裁判所を含む他の2つの裁判所は、州の緊急管理法により公衆衛生緊急事態が発生した場合、知事が緊急事態を宣言することが認められていると結論づけた。アッパーミッドウェスト法律センターはその決定に対する上訴を州最高裁に提出した。

同団体は州最高裁の命令に対して上訴する予定かどうかは不明だ。

 

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。