5月16日、欧州の消費者団体は、動画プラットフォーム拼多多(Pinduoduo)の海外ECオンラインショップTemuが消費者に不必要な支出を促す操作技術を使用し、EUのデジタルサービス法に違反していると公式に告発した。
この告発は、EU市場で急速な拡大を遂げるTemuにとって重大な法的課題となり、消費者保護とデジタルプラットフォームの責任が厳しく問われている。
中央通信社の報道によれば、2023年4月にEU市場へ進出したTemuは、その急成長が目立つアプリの一つである。Temuによれば、EU27か国における同アプリの月間アクティブユーザー数は平均で7500万人に達している。
欧州消費者機構(BEUC)は、欧州委員会に正式な訴えを提出した。さらに、フランス、ドイツ、スペインを含む17か国のBEUC加盟団体も、それぞれの国の政府に対して同様の訴えを行っている。
これらの団体は、Temuが消費者保護において不十分であり、不正な手段を使用していると批判している。具体的には、「ダークパターン」と称される消費者が誤った意思決定をするように誘導する手法を利用しているとして、これに対する公的な調査を求めている。
また、Temuが消費者のオンラインショッピング時の「自由かつ合理的な選択」を歪めており、これがEUの「デジタルサービス法(DSA)」に違反していると指摘されている。デジタルサービス法では、全てのデジタルプラットフォームに違法コンテンツの迅速な削除、ユーザーのデータ使用方法の明確化、オンラインでの買い物の安全性保障が義務付けられている。
BEUCは、Temuがプラットフォーム上での取引業者について十分な情報を提供しておらず、「消費者が実際にどこから商品を購入しているのかがしばしば不明確である」と指摘している。
Temuがヨーロッパで直面しているこのような圧力は、親会社である拼多多(PDD Holdings Inc)にとっても新しい課題である。今年の初め、ドイツの消費者保護団体はTemuに対して同様の問題で警告を行い、それを受けてTemuは「早く注文を!カートに商品を入れた人が既に126人以上です」という通知をこれからは掲載しないことを宣言した。
また、Temuはアジアやアメリカを含む世界の他地域でも厳しい検査に直面しており、特に、今年の4月には広告内容が虚偽であり、不公正な商慣行に該当するとして、韓国公正取引委員会(KFTC)による調査の対象になった。
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