今週、中国製品への追加関税を課すとの宣言の後、ホワイトハウスは5月16日に、米国の太陽光エネルギー産業を支援し、中共(中国共産党)の不公正な貿易慣行から国内の企業と労働者を保護するため、新しい政策を公表した。
ホワイトハウスは16日のプレスリリースで、米国の太陽光エネルギー産業に対する追加の保護措置を導入すると発表した。これには、太陽光パネルの重要部品に新たな関税をかけることや、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムから輸入される太陽光製品に対して再度関税を適用することなどが含まれる。
発表によると、中国の製造業者は、米国が一時的に東南アジアの4か国から、太陽光パネルに対する関税を免除した隙をついて、反ダンピングや反補助.金の規制を回避していたことが判明した。
今週、バイデン大統領は中国からの太陽光製品に適用される関税を、25%から50%に増税すると表明していた。
米国が連続してこのような措置を発表していることから、米国と中共の間で「見えない戦争」が進行しているとの認識が広がっている。
国際問題に詳しい評論家の唐浩氏は、「米国は新エネルギー分野で、中共に大きな影響を与える意向を見せているが、その影響の程度は、米国の施策の厳格さに左右されるだろう」と述べている。
東南アジアの4か国から輸入される太陽光製品に対する関税の再導入により、ASEAN諸国と米国との関係に、懸念が広がっている。
南カロライナ大学エイケン校の商学部教授、謝田氏は、「中国の企業は、米国の関税を回避するためにASEANの4か国で生産していますが、米国政府はこの状況を認識しており、新たな関税は、名目上、これらの国々を対象としているが、実際には中国の企業が狙いだ。中共は形式的な手続きを利用しているに過ぎない」と指摘している。
識者たちは、米国が中共の太陽光エネルギー業界に与えた今回の打撃は、今後さらに強まる可能性があり、他の国々も同様の措置を取るかもしれないと見ている。
唐浩氏は以下のように述べてた。「米国が率先して行動し、ヨーロッパ諸国がそれに続くことは十分に考えられる。ヨーロッパも、経済の長期的な停滞に直面しており、国内の産業と労働者を守り、大量の企業倒産や失業の波を防ぐ必要があるのだ」
また、米国政府は17日に、26の中国企業を制裁対象リストに新たに加えたと発表した。これらの企業は、新疆ウイグル自治区で、ウイグル人に対する人権侵害や強制労働に関与していると指摘されている。
制裁対象となった26の中国企業には、中国中紡集団有限公司や中粮集団の子会社、さらには複数の地域にまたがる綿花や綿織物の企業、それに関連する物流・倉庫会社が含まれている。
唐浩氏はさらに指摘した。「これは中共への牽制であり、米国経済を脅かさないよう警告すると同時に、ロシアへの軍事支援を控えるよう促し、台湾海峡や南シナ海の平和を乱さないよう求めるメッセージだ。同時に、米国国内での政治的な団結を促し、強硬な反中政策を通じて、バイデン大統領の再選を支持するよう有権者に呼びかけているのだ」
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