木原防衛大臣 日本の防衛産業の低い利益率に言及

2024/05/24
更新: 2024/05/24

日本の防衛産業が直面している主な問題は、他国に比べて低い利益率と市場における競争力の不足だ。現在、日本の防衛産業の利益率は約8%であり、これは他国の13%に比べて顕著に低い水準である。

この問題について、5月24日に木原防衛大臣は記者会見で、日本の防衛産業がほとんどリスクを負わない状態で運営されている点を指摘し、これが利益率の低さの一因であると説明した。

他国では企業が自社のリスクを取りながら新技術を開発し、輸出も行っているのに対し、日本では防衛装備品の開発が主に国内市場に限られており、そのほとんどが政府から発注に依存している。

また、日本の防衛産業における企業数の多さとその小規模性が問題となっており、例えばヘリコプター製造業界では3社が競争しているものの、いずれも主に自衛隊からの注文に依存しており、市場の統廃合が進んでいないことが指摘された。

さらに、ソナー製造では、沖電気とNECがそれぞれ異なるタイプのソナーを生産しているが、音響工学の専門家を擁していないという技術的な課題も浮き彫りになった。

木原大臣は、防衛産業の健全な育成が国防だけでなく、国内経済や雇用にとっても重要であると強調した。統廃合については、これが企業間で自然に進むべき事項との立場を示しつつ、政府としては防衛産業の競争力強化を目指す必要があると述べた。この点において、防衛装備品の国産化を推進し、国内での製造を増やしていく方針が示された。

記者からの質問に対して、大臣は統廃合の直接的な推進は考えていないものの、市場の自然な淘汰を通じて業界の健全化が進むことを期待していると回答した。

また、効率的な調達方法としてのまとめ買いや、ファミリー化なども追及していかなければならないと述べた。