23日の夜、中国の東部、浙江省舟山(しゅうざん)市で、「またも」夜空が真っ赤に染め上げられる現象が発生した。
過去と同様、まるで空が燃えているようなその「異様な光景」は、しばらくすると、ゆっくりと消えた。
古書によると、空が血の色に染まるのは戦禍や王朝の終焉を告げる不吉な兆候であり、このような現象は往々にして「王朝末年に起こる」とされている。
「またも」といったのは、実は2年前の2022年5月7日の夜も同じ現象が見られ、現地の老人たちは「こんな恐ろしい光景は見たことがない」と畏れていた。
当時、この現象に対する中国共産党当局による「解釈」は、「外洋漁船上の赤い光によるもの」というものだった。この「無理ある」言い訳はSNS上で、皮肉が多く寄せられていたという。
そしてその4日後(2022年5月11日)は今度は隣接する福建省の福州でも、同様の現象が確認された。
同じ現象は昨年12月1日の夜に北京や黒竜江省、今年4月15日未明に湖北省武漢市などでも確認されている。
中国大動乱の予兆か
中国は今、不動産業のどん底不振、金融の崩壊、経済の破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。
そうした切迫した状況から、人々は「不吉な現象」をより深刻に受け止めており、「異変」はとてもホットな話題となっている。
中国の古書によれば、歴史上、空が血の色に染まる現象は、往々にして王朝の末年に現れるという。その意味するところは戦禍や現政権の崩壊、さらには君主の不吉な運命とされている。
正史にも記録されている歴史的に有名な予言者、唐の時代の李淳風氏が書いた『乙巳占』のなかにも「空が血の色に染まるのは、戦禍や流血などの不吉な兆候だ」と指摘する記載がある。
中国の歴史書『旧唐書』(くとうじょ)のなかにも、以下のような記載があった。
「755年に安史の乱(あんしのらん)が勃発した後、玄宗皇帝が長安を捨てて逃亡する途中、空に血のような赤色が出現した。この戦乱によって、唐の基盤は完全に揺らいだ」
明(みん)王朝の時にも、その滅亡前夜に、空が血のように赤く染まる異象が現れたことが、清代に編纂された中国最大の叢書『四庫全書』に記載されている。
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