「天安門事件35周年」を迎えるにあたり、今年は当局の「安定維持」に明らかな変化が見られた。
当局を悩ませている人権活動家や反体制派といった当局にとってやっかいな「監視対象」。これまでは敏感日が近づくと、北京などの敏感な地点から彼らを遠ざけるために他の場所へ旅行を強制していた。こうした場合の交通費など経費は政府持ちだった。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、
「昨年から中国の中央政府は、安定維持費の提供を停止している。そのため、今では各地方政府が安定維持を行うための費用を負担しなければならない」という。
しかし、周知のとおり、どこの地方政府も近年深刻な「金欠」に喘いでいるため、過去のように「監視対象者」を旅行させる余力や、「監視対象者」の自宅に警官を赴かせる余力が、もはや残っていないようだ。
今年は「強制して旅行に行かせる」期間の短縮だけでなく、「その被旅行」にされる監視対象の人数は例年より減った。このほか、「安定維持」を行う期間も過去の10日から1週間(北京の場合)に短縮されたことがわかった。
「毎年、家に来ていた警察は、今年は来ない」と明かす監視対象者も少なくない。しかし、警察が自宅に「監視」しに来ない代わり、監視対象者は「自宅軟禁」され、自身の位置を携帯の位置情報サービスを使って当局に知らせ、また自身が自宅にいることを証明する写真を警察に送ることを求められているという。
関連記事
「天安門事件」35年周年控え 「金欠」当局の取締まりにも変化 経済停滞の煽り受け=中国(こちらをクリック)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。