米国会議員、党派超えて関税逃れの中国企業に調査要請

2024/06/08
更新: 2024/06/08

6月4日、アメリカの党派を超えた国会議員らは、商務省とアメリカ国際貿易委員会(ITC)に対し、ホワイトハウスに中国の太陽光発電企業がアメリカの関税を回避しているとされる行為の調査を要請する公開書簡を送った。

対中貿易問題は2024年大統領選挙の主要な話題となっている。共和、民主両党とも強硬な立場を強調している。バイデン大統領とトランプ前大統領も、誰の対応がより戦略的かを巡って議論している。

オハイオ州選出のシェロッド・ブラウン上院議員をはじめとするの民主党国会議員は、公開書簡の中で「明らかに、中国(共産党)はその太陽光産業に対して違法な補助金を出し、意図的にアメリカの製造業者の利益を損なっている」と述べている。

ブラウン議員はアメリカ政府に対して、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムに工場を持つ中国企業の徹底調査を要求した。公開書簡では、これらの中国企業が不公正な貿易手段を用いてアメリカの関税を回避し、アメリカの太陽光発電産業とその労働者の利益を損なっていると指摘している。

また、ニューヨーク州選出のクラウディア・テニー下院議員をはじめとする6人の共和党議員も、同様の公開書簡で民主党と同じ立場を表明した。彼らは「米国連合太陽光製造貿易委員会(American Alliance for Solar Manufacturing Trade Committee)」が提出した反ダンピング・反補助金税請願書を強く支持している。

議員らは「中国(共産党)の違法な貿易行為に責任を取らせることは、アメリカの太陽光発電の供給網を多様化し、より安全なものにするのに役立つだろう」と強調している。

公開書簡を共同で提出した議員は、ジョディ・アーリントン氏(テキサス州選出)、クレイ・ヒギンズ氏(ルイジアナ州選出)、トーマス・ケイン氏(ニュージャージー州)、キャロル・ミラー氏(オハイオ州)、マリアネット・ミラー=ミークス氏(カリフォルニア州)。

ブラウン議員を支持する上院議員には、タミー・ボールドウィン氏(ウィスコンシン州選出、民主党)、ボブ・ケーシー氏(ペンシルベニア州選出、民主党)、ジョン・フェッターマン氏(ペンシルベニア州選出、民主党)、ジョー・マンチン氏(ウェストバージニア州選出、無所属)、ジョン・オソフ氏(ジョージア州選出、民主党)、ジョン・テスター氏(モンタナ州選出、民主党)、ラファエル・ワーノック氏(ジョージア州選出、民主党)がいます。

また、マーシー・カプタ氏(オハイオ州)やクリス・デルジオ氏(ペンシルベニア州)など、6人の民主党下院議員も署名を通じて支持を表明している。

米国連合太陽光製造貿易委員会は、アメリカの太陽エネルギー製造業を代表して、中国の違法な貿易行為を追及する請願書を政府に提出した。

共和党の下院議員は公開書簡で、バイデン政権が反ダンピングおよび反補助金税法の執行を2年間停止したことが「壊滅的な結果」を招き、中国共産党と直接関係を持つ中国の太陽エネルギー製造業者がアメリカで製品をダンピングし、何の罰も受けていないと指摘した。そして、アメリカ政府に「迅速な行動」を促した。

太陽光製造貿易委員会のメンバーであり、アメリカ最大のソーラーパネル製造会社であるファーストソーラー社(First Solar)の執行役員副社長兼法務顧問ジェイソン・ダイムボート(Jason Dymbort)氏は声明で、「アメリカは多様で競争力のある太陽エネルギー生産基盤を築く絶好の機会を持っており、それによってエネルギーの安全を確保し、中間層の雇用機会を創出し、経済的価値を生み出すことができる」と述べた。

「しかし、中国(中国共産党)は不公平で反競争的、違法な貿易手段を用いて市場を独占し、アメリカの太陽エネルギー製造業者が公平な競争を行う機会を奪っている。これらの請願は、その問題に対処するためのものだ」とつけ加えた。

アリゾナ州に本社を置くファーストソーラー社は、世界で最も大きな薄膜 PV モジュールメーカーであり、西半球で最大の太陽光発電パネルメーカーでもある。

ブルームバーグによると、先月、同社は中国企業の「陽光電源」(Sungrow Power Supply Co.)を抜いて、最も市場価値が高い太陽光発電設備メーカーに躍り出た。2018年以降で中国企業が「最も市場価値が高い太陽光発電設備メーカー」というタイトルを失ったのはこれが初めてだ。

 

李皓月
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