中国が致死率90%のエボラウイルスを武器化している

2024/06/08
更新: 2024/06/13

論説

中国政府はエボラウイルスを武器として利用しようとしている。この病気の致死率は最大90%だ。

2022年12月、カリフォルニア州セントラル・バレーのフレズノに近いリードリーという街で、条例執行機関職員のジェサリン・ハーパー氏が、使用されていないはずの建物につながれたガーデンホースを発見した。彼女が建物内に入ったところ、秘密の生物兵器研究所のような場所を見つけた。

この施設は、カナダから逃亡中の中国人、ジィアベイ・ズーによって運営されていた。彼は中国軍ともつながりがある中国国有企業の高官だった。

建物内でハーパー氏は、白衣を着た中国人スタッフが働いているのを目撃した。

研究所には、「COVID-19ウイルスを捕捉し運搬する」ための遺伝子改変マウスが1000匹ほど保管されていた。

また、潜在的病原体の数千のサンプルがラベル付き、ラベルなし、あるいは記号が付された状態で保管されていた。「エボラ」とラベルが貼られた冷凍庫には、高リスクの生物材料を保管するためのラベルなしの密封バッグが入っていた。

中国共産党はエボラに非常に関心を持っているとされている。ウィニペグにあるカナダで唯一のP4実験室(最も危険度の高い病原体やウイルスを取り扱う施設)で働いていた邱香果博士が、許可なくエボラの遺伝子配列を中国に送っていたことが、カナダ安全情報局が機密解除した報告で明らかになっている。

彼女は武漢ウイルス研究所でも働いており、エボラウイルスの様々な株や、動物が媒介する致死性の病原体であるニパウイルスのサンプルを、正式な許可を得て同施設に送っていた。

邱博士はエボラの治療法の研究に携わったこともあり、中国の軍事医学科学院とも協力していた。この機関は人民解放軍の最高医学研究機関だ。

邱博士と彼女の夫は2019年7月にウィニペグの研究所から追い出され、2021年1月に解雇された。その後は中国に移住し、偽名で活動している。昨年3月には、中国の製薬会社が発表した文書で、邱博士がエボラの研究を行っていることが明らかになった。

エボラは致死率が非常に高い一方で、人から人への感染率は低い。「エボラは通常、宿主の外では生き残りにくく、エアロゾルを介して伝播しない」と元ウォルター・リード陸軍研究所ウイルス性疾患部門ディレクターの林暁旭博士は述べている。「エボラを効果的な生物兵器にするのは難しい」

しかし、中国はこの病気の感染力を高めることができる。武漢ウイルス研究所は、機能獲得研究の世界的な中心地だ。

ニパウイルスも「病原性が非常に高い」という。「中国のウイルス研究所がエコヘルス・アライアンスと協力して、マレーシアとインドでニパ感染サンプルを収集していることは非常に懸念される事態だ」と林博士は指摘した。

それはカナダでの事例も同じだ。「カナダは中国の科学者が最も危険な病原体を扱い、中国に送ることを許可してしまった」とチャイナウォッチャーのチャールズ・バートン氏は述べている。バートン氏は、カナダの外交官として北京に駐在した経歴を持つ。

ジャーナリストのブランドン・ワイカート氏は、「中国軍は、CRISPR-Cas9というゲノム編集ツールを武器として利用し、病気を武器に変えるための裏技として機能獲得研究を行っていることを公にしている」と指摘した。

「武漢ウイルス研究所はCOVID-19を武器化したが、それは単なる概念実証(新技術や理論などの検証)に過ぎない。エボラやニパのような病気は、機能獲得実験を通じてさらに危険な疫病に変えることができる」

つまり、エボラとニパは、実験室での改変を経て、アメリカ人を殲滅するための中国の道具となり得るのだ。

殲滅といえば、四半世紀前、中国の国防部長で中国共産党の中央軍事委員会副主席だった遅浩田が、アメリカ人殲滅を提唱する秘密演説を行ったことが報じられている。

彼は病気を利用して北米の広大な土地を一掃し、その後中国人が移住できるようにする計画について、「100万人や200万人のアメリカ人を殺害することは確かに残酷だが、中国の世紀、つまり共産党が世界をリードする世紀を実現する唯一の方法だ」と語ったという。

米シンクタンク「国際評価戦略センター」のリチャード・フィッシャー氏は、「遅浩田のスピーチに関する報道の問題点は、その真偽が確認できないことだ」と語った。「発表された2005年当時は、中国が生物兵器を使ってアメリカ人を大量に殺害し、共産党による侵略と占領、そして搾取の道を切り開くという考えは非現実的に思えた」

その後に起きた出来事が、この報道に信憑性をもたらした。とりわけ、COVID-19を引き起こす病原体であるSARS-CoV-2が武漢の研究所で作られたのはほぼ間違い。この病気が研究所から流出すると、習近平は意図的にそれを国外に拡散した。フィッシャー氏が、「遅浩田のスピーチを本物の警告として受け取るべきだ」と述べた通りだった。どうやら、中国共産党は底知れぬ悪意を持っているようだ。

リードリーの研究所で押収された物品が強く示唆しているのは、中国政府がアメリカで病気を広める準備をしていることだ。

ナショナル・インタレスト誌の国家安全保障アナリストであるワイカート氏は次のように述べている。「この特攻ラボは安全性が確保されておらず、密閉性が低く、その場しのぎで、人口が集中している地区の近くに数十種類の病原体を保管している。これは単発の事例ではない。アメリカ人に病気を広めるための中国軍の大規模作戦の一環だと思う」

COVID-19の問題は、それが中国の人々にも感染し、死に至らしめたことだった。しかし、中国軍が特定の集団を標的とする病原体の開発を進めていることはほぼ確実だ。中国の国防大学は、教義公刊物である「軍事戦略の科学」の2017年版で、「特定の民族に対する遺伝的攻撃」という新しいタイプの生物戦争に言及している。

これはアメリカ人だけを標的にしたエボラのことだと思う。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
中国問題専門家。中国語名は章家敦。ゲートストーン・インスティテュートシニアフェロー。コーネル大学で法律博士号を取得後、弁護士として活動。代表的な著書に『やがて中国の崩壊が始まる』(草思社)。