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【プレミアム報道】中共、アフリカメディアへ統制強め、反米プロパガンダ推進(3)

2024/06/18
更新: 2024/06/18

2023年3月、米国グローバルメディア局はその7つの実体を支援するために9億4400万ドル(約1492億円)の2024年度予算を要求した。

ベネット氏は、予算は「中国、ロシア、イランなどの権威主義政府からの情報操作とメディア抑圧の戦術に対抗するために策定された」と述べ、これらの政府が「アメリカの価値観を損ない、世界中で政治的、経済的、人道的危機を引き起こすことを目指している」と指摘した。

同氏は、VOAと同局の他の組織が「サハラ以南アフリカ、ラテンアメリカ、そして太平洋地域を含む、中国とロシアの両政府の悪意ある影響力の標的になりつつある市場で、事実に基づいた情報を提供し、信頼を獲得し続ける」ことを約束した。

同氏は、この予算要求により、調査報道と「ファクトチェックラボ」の増加が可能になると述べた。

複数のVOAスタッフは大紀元に対し、アフリカに関してはこうしたことはほとんど起きていないと語った。

あるスタッフは「アフリカで調査報道に割り当てられたお金については知らない」と述べた。

ポリグラフ(VOAの英語版ファクトチェックプロジェクト)は時折大陸に触れるものの、そのスタッフはアフリカではなくワシントンD.C.にいる。アフリカに拠点を置くスタッフはほとんどおらず、残っているのは契約社員だけだ。

別のスタッフは次のように述べている。「バイデン政権がアフリカで中国に対抗すると約束しているにも関わらず、私たちはまだスタートラインにも立っていない。アフリカでのプログラム展開と、信頼できる現地特派員を採用するための予算を増やす必要がある」

「アフリカの予算が削減され、もはや特派員に報酬を支払うことができないのを見るのは悲しいことだし、アフリカのジャーナリストから中国からの高額な給与の話を聞くのも同様だ。彼らがそれを受け入れるのは、家族を養うためですから、責めることはできない」

グローバルメディア局は、2025年の予算要求で議会に9億5千万ドルを要求した。

グローバルメディア局最高経営責任者(CEO)のベネット氏は再び、同局の「優先事項」が「中国人民共和国、ロシア、イランなどの有害な影響に対抗すること」であると述べた。

アイゼンマン氏の報告書によると、VOAは2021年にアフリカ向けコンテンツの開発に3200万ドル(予算2億5300万ドルの13%未満)を費やした。

2023年、VOAの予算は2億6750万ドルで、そのうち2700万ドル、約10%がアフリカに支出された。

2014年、オーストラリアの中国世界センターによると、中共は「中国の声」だけに年間60億ドルを投じていた。

2020年、米国に拠点を置くシンクタンク、フリーダム・ハウスは、中共が「海外でのプロパガンダと検閲活動に年間数十億ドルを費やしている」と推定した。

アイゼンマン氏の報告では、「アメリカ政府は、まだアフリカでの中国の反米メディアプロパガンダに公然と対抗していない。その主な理由は、両党が長年にわたりアフリカを無視してきたことにあるようだ」と結論付けている。

アメリカは「大きく遅れている」

米軍アフリカ司令官マイケル・ラングレー将軍は5月29日、AP通信のインタビューで、一部地域で反米感情が高まっている原因は、ロシアによる偽情報の波にあると主張した。

チャドやニジェールを含む一部の政府は、ロシアの軍隊と準軍事組織を受け入れ、サヘル地域から米軍の撤退を求めている。

ラングレー将軍はAP通信に、「ソーシャルメディアやメディア全体を見れば、過去数年間、我々の最も大切な同盟国の一つであるフランスに対して否定的な感情が広がっていた。その多くの否定的な感情は、ロシアの誤情報と偽情報によって煽られた」と語った。

同氏は「我々は自分たちの物語を世に広める必要がある」と述べた。

ヨハネスブルグに拠点を置く技術情報アナリストのジョージ・ボタ氏も同意した。

同氏は「アフリカでは、米国は中国、さらにはロシアにあらゆる面で大きく遅れをとっている。目を覚まさなければならない。米国は、運転席で眠っているようだ。アフリカ大陸にある自国の報道機関にも、他のメディアにも資金提供をしていない。この時代の情報の重要性を、まだ理解していないようだ。本当に驚くべきことだ」と指摘した。

「人々に正しいメッセージを伝える手段がなければ、自分のストーリーを伝えることはできない。人々の心をつかむことができなければ、どれだけ良いことをしても、誰にも知られない」

ボタ氏は、2023年5月に発表されたバイデン政権のロビト回廊プロジェクトに注目した。

このプロジェクトには初期投資として3億6千万ドルが投じられた。

アメリカは、コンゴ民主共和国で生産された金属や鉱物をアンゴラの大西洋岸ロビトの港を通じてアメリカやヨーロッパに輸送するルートを確保するため、ザンビアに340マイル(約547キロメートル)の鉄道と160マイル(約257キロメートル)の道路を建設している。

このプロジェクトに参加している共同企業体トラフィグラは、「貴重な資源を中央アフリカの銅ベルトから欧米の市場へ移動させることは、特にエネルギー転換が進展する中で、アメリカとヨーロッパにとって重要なことだ」と述べた。

「このプロジェクトは多くのアフリカ人に生計を提供しているが、彼らはその存在を知らない。まるで存在しないかのようだ」とボタ氏は語った。

同氏は「中国は自国のインフラプロジェクトを報道するためにジャーナリストに資金を提供している。アメリカも同じ戦略を取るべきだ。アフリカの情報戦で積極的に対抗しなければ、ここでは生き残れない」と強調した。

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