今月11日、吉林省長春市に住む市民が地元銀行「吉林銀行・遵義路支店」に預けている預金を引き出そうとしたところ、銀行から「預金を下ろすのに警察の同意が必要だ」と告げられていたことがわかった。
預金(10万元以下/約217万円以下)を下ろせなかったことに腹を立てたこの市民は、告発動画を中国SNSに投稿して話題になった。「ふざけんな!」「自分のカネだ、下ろすのになぜ許可が必要?」など中国中の銀行預金者から罵声の嵐を巻き起こしてしまった。
世論の圧力をうけ、「吉林銀行」の職員は翌日(6月12日)「今回の措置は銀行側による一方的なものではなく、管轄する警察署の要求に従ったまでだ」と回答。
「電信詐欺予防のため、銀行口座から2万元(約43万円)以上の預金を引き出したい場合は、銀行職員がその旨を警察署に届け、警察署が該当口座を調査した後、引き出しが許可される」という。
いっぽう、「吉林銀行」本店のお客様サービスセンターでは、「預金引き出す際の要求に関しては、銀行側としては何も特別な規定はない。しかし、警察署の要請により関連規定を設けている一部店舗もある」と回答している。
ところが、預金者に対し「警察の同意が必要」として預金引き出しを拒否した支店を管轄する警察署「金安派出所」の職員は「そんな規定などない」と一蹴している。ただ、「大口の引き出しの場合は事前に銀行に届け出る必要があるが、警察署が調査するのは出所不明のお金だけだ」としている。
見ての通り、銀行側と所轄警察署の「主張」はみごとに一致しない。
この「混乱した」局面について、SNS上では「結局のところ、銀行にお金がないんだろう」とする見解が多くみられる。
関連トピックスには、「預金を下ろすのがどんどん難しくなった」「最高で5万元(約108万円)しか下ろせない、それもそのお金の用途を追跡される」といった経験談を明かすユーザーも少なくない。
中国SNS上には「銀行に預けていた預金がある日突然凍結された」「預金を下ろそうとしたらいろんな難癖をつけられて下ろさせてくれない」などと涙ながらに告発する市民の声もしばしば上がっている。
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