時事 中共のこのような行動は恥ずべきこと

オーストラリア記者チェン・レイ氏、中国共産党による公然とした妨害行為を受ける

2024/06/18
更新: 2024/06/18

6月17日、オーストラリアの首都キャンベラにて、オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相と中国の李強首相が首脳会談を行った。3年以上にわたり中国で拘束されていたオーストラリア国籍の中国系TVキャスター、チェン・レイ氏が両国間の文書署名式典およびプレスカンファレンスに出席したが、中国共産党の官僚によって意図的に視界を遮られる事件が発生し、メディア界で大きな議論を呼んでいる。

チェン・レイ氏は、いまオーストラリアのSky Newsテレビのニュース・キャスター兼ビジネスレポーターを勤めている。チェン・レイ氏は、2020年8月に中国で拘束された。仕事上で得た国家機密を不法に海外機関に提供したという罪に問われ、懲役2年11月の実刑判決を受けた。

Sky Newsが公開した映像によれば、チェン・レイ氏が17日の式典と記者会見に参加している最中、彼女の正面に、中国共産党の大使館職員と思しき2人の人物が立ちはだかり、彼女がカメラに映らないように遮る様子が確認できる。これらの職員は、アルバニージ首相や李強首相にも、目に付かないように位置取りをしていた。

詳細な映像分析によると、遮る行為を行っていたのは、ダークブラウンのスーツを着た眼鏡の女性と、ブルーのスーツを着た男性である。オーストラリア政府のスタッフが数回にわたり厳しい表情で退去を求めたが、この要求を拒否した。

チェン・レイ氏が他の記者と席を交換した後、彼女の近くにいた二人の官僚が彼女の前に立ちはだかる動きを見せたが、オーストラリア政府のスタッフはこれを阻止した。彼らはチェン・レイ記者に近づこうとして押し合いになり周囲の人々の注目を集めた。

アルバニージ首相の記者会見では、チェン・レイ氏は最初に質問する機会を得たが、この選出が偶然か、中国側の行動に対する策なのかは明確ではない。彼女は首相に対し、「2か国間関係の悪化を避けるためにどのような措置を取っていますか?」と質問した。

首相は「対話を続けることが重要であり、私たちの間の意見の相違や発生した事件について直接話し合うことは常に有益です」と答えた。人権問題や中国系オーストラリア人作家の楊恒均(ようこうきん)氏の中国での死刑判決にも触れ、死刑に反対する立場を改めて表明した。楊氏はスパイ容疑で中国に5年間拘留された後、死刑宣告されているが、彼は一貫して無実を主張している。

チェン・レイ氏はSky Newsに対し、「中国共産党は、私が彼らにとって都合の悪い発言や行動をすることを防ごうとしていたと思います。そのような行為は実際には恥ずべきものです」と述べ、この事件についての自身の見解を明らかにした。この事件は、国際的なメディアの自由に対する重大な挑戦として、引き続き議論されるであろう。

李皓月
関連特集: 時事