経済 インドは昇り、中共は沈む」

インド株式市場がナスダックを上回る、中国株式市場の低迷の理由とは?

2024/06/22
更新: 2024/06/22

世界の株式市場で、人気のナスダックと並ぶ市場は少ないが、インドは例外である。強力な利益成長、地政学的な追い風、有利な人口構造により、インドは魅力的な投資環境を提供し、驚くべき成長を遂げている。一方で、中国株式市場は低迷しており、その背後には複雑な経済状況と政府の厳しい規制が影響している。なぜインド株がこれほどまでに好調で、中国株が低迷しているのか、その理由を探る。

ウォール・ストリート・ジャーナルの6月19日の報道によれば、2019年末から2023年6月18日まで、MSCIインド指数は110%上昇し、アメリカのハイテク株指数の99%の上昇を上回った。これに対して、MSCI中国指数は同期間で30%下落している。

この対照的なパフォーマンスは、両国の経済状況を反映している。インド経済は強力な成長を続けており、今年第1四半期の成長率は年率7.8%で、主要経済国の中で最も高い。この成長により企業の利益も拡大しており、モルガン・スタンレーのデータによれば、インドの上場企業の純利益は3月までの四半期で年率17%増加している。

さらに、先進国がサプライチェーンを中国から多地域に分散させる動きが進んでおり、これがインドの製造業への投資を加速させている。また、インドの平均年齢が28.6歳であるのに対し、中国は39.5歳であり、若い人口もインドの経済成長を支えている。

一方、中国の株式市場は低迷している。中国の不動産市場の崩壊が経済を引きずり込み、政府の厳しい規制措置が急成長を遂げていたテクノロジー企業を困難な状況に陥れている。例えば、中国の電子商取引の巨人であるアリババは、2020年のピーク時からその時価総額が約4分の3に減少している。

また、中国政府の厳しい監視と規制が企業活動に影響を与え、投資家の信頼を損ねていることも一因である。これにより、MSCI中国指数は大幅に下落している。

経済成長率の違いだけが株式市場のパフォーマンスの差を説明するわけではない。株価収益率(PER)の高さも株式市場の上昇を後押ししている。FactSetのデータによれば、iShares MSCIインドETFの予想PERは23倍で、2020年初頭の19倍を上回っている。一方、中国株の同様のファンドのPERは12~10倍以下に低下している。

インド市場への投資も増加している。MSCIは新興市場指数において、インドの比重を増やし、中国の比重を減らした。これにより、インド株式市場の比重は2020年の8%から約18%に増加し、中国株式市場の比重は40~27%に減少している。

インド株式市場は強力な経済成長、地政学的な追い風、有利な人口構造に支えられ、ナスダックを上回るパフォーマンスを示している。一方、中国株式市場は政府の厳しい規制と不動産市場の低迷により、低調な状況が続いている。これにより、インドは世界の投資家にとってますます無視できない市場となっている。

吳畏
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