カート・キャンベル米国務副長官は6月24日、米国が今後、より多くの中国の文科系生とインドの理科系生を受け入れるべきだと述べた。これは、ニューヨークのシンクタンクである外交問題評議会(CFR)で行われたイベントでの発言である。
キャンベル氏は、「米国は安全保障上の懸念から、中国の学生が敏感な技術専門にアクセスすることを制限している」と指摘し、「米国には理工系(STEM)の人材が不足しているため、インドからより多くの理工系学生を招く必要がある」と強調した。キャンベル氏は、「中国の学生がアメリカで人文社会科学を学ぶことを望んでいるが、粒子物理学ではない」と述べた。
留学生の動向
長年、中国の学生は米国最大の外国人留学生グループであり、2022/23学年度には約29万人の中国留学生が在籍している。キャンベル氏の発言は、米国の大学が中国学生の高等教育を慎重に支援する一方で、実験室や一部の中国学生の活動に対して慎重な姿勢を取っている現状を反映している。
キャンベル氏は、特定の専攻における中国学生のアクセスを制限することは可能であり、これは特に米国内の技術プロジェクトにおいて一般的な措置であると述べた。さらに、米国が理工系学生の不足を補うために中国を唯一の供給源とする考え方には反対し、インドからの学生が米国の大学で技術やその他の分野を学ぶことによって、今後の最大の成長が期待されると強調した。
米中関係への影響
トランプ前政権が導入した「China Initiative」について、これは中国によるスパイ活動と知的財産の盗難を防ぐことを目的としていたが、バイデン政権下で中止された。批評家はこの計画がアジア系アメリカ人への人種差別を助長したと指摘している。
キャンベル氏は、中国側が中米間の学術、商業、非営利セクターの関係が弱まっている責任を大きく負っていると指摘し、「中国側がこれらの活動を続けることを難しくしている」と述べた。また、人身安全の懸念から、外国の高官や慈善家は、中国に長期滞在することを避けていると付け加えた。
一方、キャンベル氏は米国が中米間の関係を断絶しないよう注意する必要があると警告し、「我々は慎重に行動するべきであり、関係を完全に断ち切ることは避けるべきだ」と述べた。
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