社会問題 絶望の国、中共

中国の若者、生活に絶望 結婚件数が大幅減少

2024/06/29
更新: 2024/06/29

中国の人口問題は今大変なことになっている。恋愛も結婚も子育ても避ける人は「絶望世代」と呼ばれている。中国民政部(日本の総務省に相当する)の最新データによると、今年第1四半期の結婚登録件数は200万組を下回り、前年比で8.3%減少した。専門家が、若者は中共(中国共産党)の経済政策に絶望しているため、結婚を避けていると指摘しているほどだ。

結婚登録数減少

中国民政部が6月14日に発表した統計データによれば、2024年第1四半期の結婚登録数は196万9千組であり、2023年同期の214万7千組から17万8千組減少し、減少率は8.3%に達している。2013年には1347万組の結婚登録があったが、その後9年間連続で減少し、2022年には683万5千組にまで落ち込んでいる。2019~23年にかけて、結婚登録数は5年連続で1千万組を下回っている。そして、過去10年で、結婚登録者は約半分に減ったということだ。

多くの若者が結婚を避ける理由について、六四天安門事件、貴州学運領袖(貴酬の学生運動)あり、現在は芸術家として活動する季風氏は、「今、私の友人の子供たちも30歳を超えているが、結婚する気がない。中には40歳を過ぎても独身の人もいる」と述べた。また、彼の甥や姪も結婚を考えておらず、恋愛はしても結婚には至らないと語っている。

ここ数年の経済状況の悪化、企業のリストラによる失業率の上昇が若者に大きな影響を与えている。上海に住む顧明(仮名)さんは大学卒業後に失業し、親の収入に頼らざるを得ない状況にあると語った。「結婚には経済的基盤が必要だが、それがない」と述べた。

若者の結婚観

結婚にかかるコストの高さや経済的なプレッシャーが若者に結婚を躊躇させている。経済博士の張氏は「今日の若者が結婚を避けるのは、中共の誤った経済発展政策の結果である」と指摘している。高額な住宅価格や生活費が若者の結婚を阻んでいる。

自由業の張氏は、中共の経済政策が高額な住宅価格や高い医療費、教育費をもたらし、若者の結婚や出産を困難にしていると述べている。住宅と車を買うのは結婚の必要条件になるが、不動産の高騰により、これらの条件が不可能になっていると語った。

また張氏は大紀元に対し、高い住宅価格が若者の結婚しない原因の一つであり、これは中共の民衆からの搾取で経済発展政策によるものであると述べた。

「中共は搾取の形を通じて(高い住宅価格を形成し)、いわゆる不動産業を支柱産業とし、不動産のバブルを拡大してきた。中共はすでに中国の底辺の民衆の30年から40年先の未来の収入を、今日の時点で略奪して現金化している。このような結果を顧みない、卵を産む鶏を殺すような発展は、子孫を絶やす発展モデルだ」

彼は、中共の経済発展モデルは高い住宅価格を引き起こすだけでなく、高い医療費、高い教育費用、高い養育費など一連の問題も引き起こし、今日の中国の若者が結婚や出産を避ける原因になっていると述べた。

また、中国の弁護士である李氏は、中共の経済発展モデルが、庶民の貧困や多くの負債をもたらし、若者がそれを負担できず、家庭の幸福に対する期待が非常に低いと考えている。

「経済があまりにも悪いため、生活の質や幸福、幸福への憧れを語ることはできない」

若者は

「たとえ仕事があってもかろうじて生計を立てることができるだけで、家族を養うことはおろか結婚することもできないし、ましてや子供を持つこともできない。これが中国が直面している現実の状況だ」

と述べた。

また、多くの若者にとって、幼い頃から両親が家族のために苦労してお金を稼ぎ、節約して生活しているのを見て育ってきた。

李弁護士は、「彼らは、前の世代が多くの経済的なプレッシャーや債務の重圧を背負って無意味な生活を繰り返しているのを見て、それには意味がないと感じている。これが結婚を望まない非常に重要な理由の一つだ」と述べた。

「さらに、希望が見えないことも加わり、このような経済発展モデルは、若者の夢を奪い、若者が幸福を追求する可能性を奪ってしまった」

若者の結婚に対する恐怖

離婚率の上昇も、一部の若者が結婚に恐怖を感じ、同じ過ちを繰り返すことを恐れる要因かもしれない。中国民政部のデータによれば、2024年の第1四半期に中国で離婚登録を行ったカップルは57万3千組だった。(離婚率28.6%)

李弁護士は、経済情勢が悪いため、若者の家庭や幸福に対する期待値が非常に低いと述べた。「経済的なプレッシャーから多くの家庭内の対立が生まれ、それが多くの家庭の不幸、婚姻の不幸を引き起こしている。家庭が不幸であり、婚姻が不幸である環境で育った子供たちは、結婚を恐れるようになる」

「このような単親の環境が、さらに多くの若者が結婚を望まない原因となっている」

若者はすでに絶望している

『中国人口と雇用統計年鑑2023』によると、2022年において中国の都市部で25~29歳の未婚率は56.9%、30~34歳の未婚率は20%だった。特に都市部の30歳の未婚率は30.7%に達している。同時に、農村部の25歳から29歳の未婚率は47.4%だった。

季風氏は、中共政府がこの現象を逆転させることはできないと考えている。「若者はすでに絶望しており、希望がないだけでなく、絶望しているのだ」という。

低結婚率が中国に及ぼす影響について、季風氏は次のように述べた。「人口の減少、萎縮、そして文化の断絶。影響は非常に大きい。労働力や人材の後継者がいなくなって、経済は継続的に低下する」

張氏は、中国が現在直面している若者の低結婚率、低出生率について、短期的には解決策が見えないと考えている。なぜなら、中共はその極権的な専制統治や誤った発展路線を変えることはできず、底辺の民衆の収入が向上することは不可能だからだ。