米国務省は、中国共産党(中共)に対し、「強制的な臓器摘出」という「明白な人権侵害」をやめるよう求めた。
米国務省報道官は新唐人テレビ(NTD)に、「研究者、活動家、組織は、良心の囚人や少数民族(法輪功学習者やウイグル人など)からの非自発的な臓器摘出に関与している可能性があるという情報を引き続き収集している。これらの主張が裏付けられるならば、それは人権の明白な侵害であり、極めて非倫理的な医療行為となる」と語った。
報道官は、中共政権が「国の臓器移植システムに関する独立かつ透明な調査を許可し、これらの報告の真実性を調査するために独立した観察者を歓迎すべきだ」と述べた。
この発言は、下院が「法輪功保護法案(H.R.4132)」を可決した翌日に行われた。この画期的な措置は、法輪功に対する継続的な迫害と拘留された学習者からの臓器摘出を終わらせることを目的としている。2006年に内部告発者が大紀元にこの残虐行為を初めて明らかにして以来、中国から驚くべき証拠が続々と浮上している。
2019年には、ロンドンの独立民衆法廷が1年間の調査を経て、「中国全土で長年にわたり大規模な臓器強制摘出が行われている」と結論付け、法輪功学習者が主な被害者グループであるとした。
2023年には、中国の元医師、鄭志氏が中国軍の兵士に警備されたバン(車)の中で臓器摘出を手伝ったと証言している。インタビューで、鄭氏は中国の軍事将校が軍関係者のために「最高品質の」腎臓を選ぶことを約束したエピソードを振り返った。
鄭氏はその将校が「新鮮なものを、法輪功学習者から」と言ったと回想している。
上述の民衆法廷の最終報告書には、この虐待が終了した兆候は見られないと書かれている。中共は2015年にドナーとして臓器提供に頼っていると主張したが、中国の臓器提供数を分析した研究者たちは、データセットが数学的な公式と一致していることを示し、体系的なデータ操作を示唆した。
国務省は声明の中で、中共政府に対し「良心の囚人に対する邪悪な行為を中止し、人権に関する公約を守り、患者の最善の利益を第一に考え、インフォームドコンセント、個人の尊厳など、関連するすべての医療・倫理基準と最良の実践に完全に従う」よう求めた。
国務省の2023年信仰の自由に関する報告書(6月26日発表)は、2023年3月のニューヨーク市弁護士協会の報告書を引用し、中国が良心の囚人からの強制的な臓器摘出に引き続き関与している十分な証拠があると述べた。
米国に拠点を置くウェブサイト「明慧網(明慧ネット)」に寄せられる法輪功学習者の証言を引用し、こうした良心の囚人たちが拘留中に強制的に医療検査を受けさせられ、血液サンプルを採取されたと報告した。
「法輪功保護法案」の主要な提案者であるスコット・ペリー議員は、この法案が違法な臓器取引の供給チェーンに関わるすべての人々に「抑止力」をもたらすことを期待している。
ペリー議員は新唐人に、「それらの臓器は中国で摘出されるが、中国だけに送られるわけではなく、世界中に送られるかもしれない。供給チェーンに関与していることが判明した場合、大変なことになる」と語った。
この法案を共同提案した18人の議員の一人であるパット・ライアン下院議員は、この法案が「中共に対して、この虐待は容認されないという明確なメッセージを送る」ことを望んでいる。
同氏は新唐人に応じ、「同じ人間同士にそのような扱いをする時点で、中国共産党は道徳的に破綻している。それは私たちアメリカ人として、そして人間としての在り方に反している」と述べた。
「中国共産党による法輪功迫害はあまりにも長く続いており、私たちは人々にこのことに気づかせる必要がある」
一部の議員は、人権問題を米国の対中国政策に結び付けることを提案している。
中国に関する議会・行政府委員会のアンドレアス・サリナス議員は、中共政府による国家ぐるみの臓器強制摘出により、中国が「実際に良いグローバルパートナーであるかどうか」を疑問視していると述べた。
同氏は新唐人に、「これは確実に米国が、これらの外交関係を扱う方法に影響を与えるだろう」と語った。
法輪功への迫害が25年に近づく中、ペリー氏はこの問題で下院が団結したことを喜んでいると述べた。
「世界の多くの人々は、全員が同意できるものを探している。だから、全員が『はい、臓器狩りと法輪功、法輪大法の迫害を終わらせるべきだ』と言ったことは素晴らしいことです」と述べた。
「世界はこれらの残虐行為に目を覚ましつつある」
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